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2024.01.28 08:00

MIT「AIが人の仕事をすぐに奪うことはない」、80年代のPC革命との違い

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人工知能(AI)が人々の仕事に与える将来的な影響について、私たちはあまり多くを理解できていない。しかし、1950年代初頭にコンピュータがビジネスに導入され「オートメーション」という言葉が一般化して以来、AIが仕事に与える影響に関しては多くのことが語られており、最近では、AIが人々の仕事を奪う可能性について、さまざまなことが議論されている。

MITコンピュータ科学・人工知能研究所が先日発表した論文の「Beyond AI Exposure: Which Tasks are Cost-Effective to Automate with Computer Vision?(AIエクスポージャーの先にあるもの:どのようなタスクがコンピュータビジョンを用いてコスト効率良く自動化できるか?)」は、AIと仕事の未来の関係について非常に率直な予測を立てている。ここで喜ぶべきニュースは「コンピュータビジョンを用いて処理可能なタスクのうち、AIによってコスト効率良く代替可能なものは23%に過ぎない」と彼らが述べている点だ。

「AIに対する不安は、その導入の影響を測定しようとする学者の間で、AIエクスポージャーという用語が広く使われていることに起因している」と研究者たちは述べている。この用語は、AIによって人間の仕事が置き換えられてしまうリスクがあることを示しているが、問題点は2つある。1つは、AIの「経済的な実行可能性」が考慮されていないことで、もう1つは、完全な自動化と部分的な自動化が区別されていないことだ。

これらの問題に対処するために、MITの研究チームは「史上初のエンド・ツー・エンドのAIオートメーションモデル」と彼らが呼ぶものを構築し、AIシステムのコスト見積もりがより発達しているコンピュータビジョン関連のタスクに焦点を当てて分析を行った。

その結果「自動化の費用対効果が高いのは23%に過ぎない」と彼らは述べており、その原因が、AIの初期開発コストの高さにあると指摘した。このコストは、今後引き下げることも可能だ。しかし、仮に年率20%という急速なコスト低下が起きたとしても、AIを用いたタスク処理が企業にとって経済的に理にかなうものになるためには「まだ数十年がかかるだろう」と研究チームは述べている。
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編集=上田裕資

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