世界の雇用の40%にAIが影響
また、別の研究では「AIの社会的受容性」という課題が指摘された。AIツールをシームレスに統合できる職業もあれば、文化や倫理または運用上の懸念などの課題に直面するタスクもあるだろう。この研究は国際通貨基金(IMF)が主導したもので、AIが主要なテーマとなった今年の世界経済フォーラム(ダボス会議)に合わせて発表された。IMFの研究は、世界の雇用の40%近くがAIの脅威にさらされていると推定している。
「先進国では、約60%の仕事がAIの影響を受ける可能性がある」とIMFは述べている。そのうちの半分の仕事は、AIの恩恵によって生産性を向上させるが、残りの半分の仕事は、現在、人間が行っている主要なタスクがAIに置き換えられ、賃金の低下や雇用の減少につながる可能性がある。さらに最も極端なケースでは、これらの仕事のいくつかは消滅するかもしれない。
一方、ダボス会議の前夜に発表された会計事務所PwCが105カ国の4700人のCEOを対象に実施した調査によると、企業のCEOの約4分の1が、生成AIの導入が今年、少なくとも5%の雇用削減につながると予想していた。また75%近くが、今後3年間で生成AIが自社のビジネスを大きく変えると回答し、従業員に新たなスキルを教育することや、セキュリティ上のリスク、誤情報への対処を行う必要があると予測していた。