ネットフリックスの株価は、24日の市場のオープン直後に560ドル近くまで上昇し、2022年1月以来の高値で取引された。
今回の株価の急騰の勢いは、ネットフリックスの2023年のユーザー純増数が、2020年以降で最高の3000万人近くを記録したことを報告した23日の決算発表直後の時間外取引から続いている。
しかし、ローゼンブラットのアナリストのバートン・クロケットは、「ネットフリックスにとって最も重要は指標は加入者数の増加ではない」と述べ、この急騰が合理性を欠いていると指摘した。彼の指摘は、ストリーミング各社が収益を犠牲にしてユーザー数を追い求めた結果、ウォール街がこれらの銘柄を嫌気した過去の記憶を呼び起こした。
23日の決算で示されたネットフリックスの業績は、予想どおりではあったが好調だった。第4四半期の売上高の88億ドル(約1兆3000億円)と1株当たり利益の2.11ドルはコンセンサス予想とほぼ一致し、今四半期の売上高13%増というガイダンスも同様に予想と同程度だった。
バーンスタインのアナリストのローレン・ユーンとマーク・シュムリックも、決算後の顧客向けメモで、クロケットと同様な懸念を示し、過去18カ月間で200%近く上昇したネットフリックス株が直面するかもしれない「苦境」に触れている。
「ネットフリックスが直近のモメンタムを維持できるかどうかについて、我々は前向きではあるが自信が持てない」と彼らは述べ、加入者数の伸びを牽引したパスワード共有の制限措置が「今後どれだけの余力を残しているか」を疑問視した。バーンスタインの目標株価の490ドルは、同社の24日の株価からの12%の下落を意味している。
一方で、ネットフリックスの第4四半期決算には強気の見方も多く出ている。JPモルガンのアナリストのダグ・アンマスは、今後のさらなる加入者数の増加や価格の引き上げによる売上の上昇、広告収入の増加が見込めると指摘し、目標株価を610ドルに引き上げた。
(forbes.com 原文)