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2024.01.24 11:00

米トップユーチューバー、Xの動画1本で4000万円近くの収益

世界一稼ぐユーチューバー、ミスタービースト。2023年3月、米ロサンゼルスで(Joe Seer / Shutterstock.com)

米人気ユーチューバーのミスタービースト(MrBeast)は、X(旧ツイッター)に初めて投稿した長尺動画の収益が26万3655ドル(約3910万円)だったと明らかにした。オーナーのイーロン・マスク会長のもとXが昨年導入した広告収益分配プログラムの支払額としては、これまでで最大級のものになったとみられる。

ミスタービースト(本名ジミー・ドナルドソン)は先週、Xで広告収益をどれくらい稼げるか試してみるとして、この動画をポストしていた。収益の結果は22日にXで公表した。ただ、複数の広告主が動画の広告を購入したため、金額は「若干水増し」されているかもしれないと断っている。

動画は、ミスタービーストが友人たちと共に最低で1ドル(約148円)、最高で1億ドル(約148億円)するいろいろな車を運転したりクラッシュさせたりする内容で、4カ月前にユーチューブに投稿していたものを再アップロードした。ユーチューブでのミスタービーストのチャンネル登録者数は2億3400万人と、世界で2番目に多い

Xに投稿された動画の再生数は同日中に1億5000万回を超えた。ユーチューブでの視聴回数よりは6000万回ほど少ないが、Xでの再生数はタイムラインや検索結果に表示された回数(インプレッション)なので、通しで視聴された回数でない点には留意する必要がある。

ミスタービーストは別のポストで、今回の収益から2万5000ドル(約370万円)を、このポストをリポストし、自身をフォローしたアカウントから無作為に選んだ10人に配る意向を示している。

ミスタービーストは2023年6月までの1年間に推定8200万ドル(現在の為替レートで約121億円)を稼いでおり、フォーブスの2023年版「トップクリエイター」ランキングで1位となっている。

インプレッション数が左右

Xの広告収益の分配はオーディエンスやインプレッションに左右されるので、すべてのクリエーターが今回のミスタービーストのような多額の収益を得ているわけではない。

クリエーターのブランド開発を専門とするコンサルタントで、チャンネル登録者数60万8000人のユーチューバーでもあるロバート・ブレイクは昨年8月、Xからの分配は307ドル(現在の為替レートで約4万5600円)だったと報告している。それでも「Xプレミアムに月額8ドル支払って307ドル稼げるというのはROI(投資利益率)としてはすごくいい」と述べている。

ブレイクはその一方で、このプログラムのアナリティクスや、表示される広告の管理には改善の余地があるとの考えも示している。

Xは昨年7月にクリエーターへの広告収益分配を開始した。リンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者(CEO)は9月に、クリエーター側への分配総額が2000万ドル(現在の為替レートで約30億円)近くに達したことを明らかにしている。

Xの規約によれば、クリエーターはXからの累計収益が5万ドル(約740万円)に達するまでは、Xがクリエーターのコンテンツから得た収益の最大97%を受け取ることができる。累計収益が5万ドルに達した場合、クリエーターへの分配の最大比率は90%(編集注:日本では80%とされる)に下がる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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