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2024.01.26 09:00

バーチャル本社アプリ「Roam」は、オフィス用「忍びの地図」

米スタンフォード大学の経済学者で、長年リモートワークを研究し、Roamにアドバイザーとして雇われているニコラス・ブルームは、Roamのようなツールは、会社の幹部がリモートワークやハイブリッドワークに慣れるのに役立つかもしれないと話す。全員が実際の同じオフィスで働くチームではこのようなアプリはあまり役に立たないかもしれないが、リモートワーカーの生産性を心配する管理職に安心感を与えることができるかもしれない、とブルームは言う。「管理職や上司、特に週に3、4日バーチャルで仕事をしている人にとって、どの従業員がRoamで会議をしているのか、あるいは誰が同僚と必要に応じて会話しているのかを『見る』ことができることで、安心感を得られるような感覚は確かにある」とブルームは指摘する。

動画マーケティングプラットフォームのWistia(ウィスティア)の共同創業者でCEOであるクリス・サベージにとって、Roamは安心感を得られるものというより、つながるためのツールだ。同社はリモートワーク優先のチームで、Roamの前に他のバーチャルオフィスのアプリを試した。「メタのオキュラスを導入したが、誰もそこで働きたがらなかった」とサベージはメタバースについて語る。だが「バーチャルのミニゴルフはたくさんした」とのこと。そしてRoamを試してみた。サベージは当初、従業員がこれを監視と見なすかどうか、また誰が誰とミーティングしているかがわかるという「パラダイムシフト」に警戒したが、180人いる同社のチームにとって、今ではそうした懸念よりもメリットの方が大きいと言う。

会議にかかる平均時間は短くなり、従業員アンケートでは従業員同士のつながりが深まったと感じていることが示されている。「Roamを通じて、誰が雑談に応じてくれそうか、誰が誰と話しているかが、アクションを起こさなくても理解できる」とサベージは指摘する。実はチームの何人かに、別のコラボレーションツールも試してもらっていたという。サベージ自身は「自分がアーリーアダプターであることを忘れてた」と語る。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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