音楽

2024.01.25 13:00

独占!XG総括プロデューサーが語った「世界で輝く」ために大切にしていること

謙虚さ、信念、音楽愛、人間愛という魅力

SIMONさんとは、勝手ながら共通する部分を多く感じる。ミックスルーツで異文化のもとで育ち、その経験からくる「怒り」や「孤独」を活力に、向上心を抱き続ける。世界を変えるのは常に「アウトサイダー」であると、今回のSIMONさんへのインタビューやXGの活躍を見て、誰もが実感するだろう。また、ショーケースの翌日、新たなフェーズについて考えはじめて間もないタイミングだからこその、走り続ける人の「エネルギー」がもつ変革力にも注目したい。

今回が初の雑誌でのインタビューということもあり、SIMONさんが語ってくれた言葉は決して自動的に出てくるような擦れたものではなく、新鮮かつリアルで、無駄がなかった。「日本語は第二言語なんですが」と謙遜しながらも、丁寧に、そして時に大胆に語る姿は、謙虚でありながら信念に満ちた、まさに「新たなリーダー像」を映し出す。例えば、テック企業が成長するには新しい商品を出すことも大事だが、クオリティが最優先であることが前提にある。最近の音楽業界では、そのことがどんどん忘れられているなかで、音楽への愛、そしてXGの7人という「人間」への愛を中心に活動するその強みは、他のアーティスト含め、多くの人がXGに魅了される要素になり続けるだろう。


竹田ダニエル◎ライター/研究者。1997年生まれ。カリフォルニア州出身、在住。カリフォルニア大学バークレー校大学院在学中。リアルな発言と視点が注目されるZ世代ライター、研究者。著書に『#Z世代的価値観』(講談社)など。「30 UNDER 30 JAPAN 2023」受賞者。

文=竹田ダニエル 写真=帆足宗洋(Avgvst)

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年3月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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