これは、Fastlyが北米、欧州、アジア太平洋地域、日本の企業の意思決定者1484人を対象に行った調査だ。攻撃による被害は、ネットワークの停止、データ損失、ウェブアプリのオフライン化、顧客アカウントの漏洩などと多岐にわたる。これらは事業の停滞や信頼の失墜を招き、サイバー攻撃で失った顧客の信頼を回復するまでにかかった期間は、平均で7.5カ月だった。
各企業はサイバーセキュリティー予算を増額する傾向にあるが、サイバーセキュリティーツールに費やした費用が多すぎるという専門家と、足りないと感じている専門家とに意見が分かれた。導入したツールの55パーセントが十分に活用されていないためだ。その大きな原因に、世界的なサイバーセキュリティー人材の不足がある。しかも人材の約4割から5割に、経験不足、スキル不足、規模に応じた仕事の能力不足という問題があると専門家は指摘している。
こうした人材の問題の解決策として期待されているのが生成AIだ。当然、攻撃者もAIを使ってくるため、それが新たな脅威を生むことになるのだが、どちらかと言えば生成AIは守る側にとってポジティブな影響をもたらすというのが専門家の予測だ。
Fastlyのプロダクトテクノロジー副社長ショーン・リーチ氏は、人材の問題に対して多くの企業は単に支出を増やすのみで、技術的進歩や代替ソリューションを見過ごしてきたと話す。鍵となるのは、外部の専門サービスに委託するマネージドセキュリティーサービス(MSS)と生成AIを用いた内部セキュリティーチームの負担軽減と生産性の向上だと同氏は進言している。
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