『パルワールド』に生成AI使用疑惑 今のところ証拠はなし

ポケットペアの新作ゲーム『Palworld / パルワールド』(c)Pocketpair

ポケットペアの新作ゲーム『Palworld / パルワールド』は、早期アクセス開始からわずか3日で近年まれにみるヒットゲームになっただけでなく、大きな論争も巻き起こした。

一部のアーティストやゲーム開発者、そして一般ユーザーは、主に2つの点でこのゲームを非難している。1つ目は「パル」のデザインが『ポケットモンスター』のモンスターをつぎはぎしたものだという主張。2つ目は、開発元のポケットペアが生成AIを使用して同作を開発したという疑惑だ。

しかし、実際に生成AIが使われたことを示す証拠は今のところない。この疑惑が生じたのにはそれなりの理由があるものの、現時点ではゲームのデザインやアセットに生成AIが使われているという決定的な証拠はない。以下に、疑惑の根拠として指摘されていることを簡単に紹介する。

・ポケットペアの溝部拓郎社長は2021年のツイートで、非常に初期的なAIツールでポケモンを生成する実験に興味を示していた。このツイートは、溝部自身が生成AIを使ってポケモンに似たモデルを制作したと解釈されがちだが、そのような事実は明らかになっていない。2022年のツイートでは、生成AIについてより詳しくコメントし、生成AIの普及は必然的で有用になりうるという考えを示唆している。

・ポケットペアは2022年、『AIアートインポスター』というゲームをリリースした(このゲームはプレイヤーをほとんど集められなかった)。同作には画像生成AIが組み込まれており、プレイヤーは、自分のグループの中のどのプレイヤーがお題を知らされずに画像を生成したかを当てる。ゲームの説明文には「あなたはAIに指示を出して絵を描かせる時代の先を行くアーティストです」や「絵心がなくてもすてきな絵が描ける」と書かれており、この説明を真に受ける人もいれば、皮肉として捉える人もいる。

『パルワールド』が生成AIを開発やコンテンツ制作に活用している根拠として挙げられているのは、現時点では主にこの2点だ。社長が生成AIに興味を示し、ポケットペアが生成AIを「メタ」的に扱ったゲームを開発したことは事実だ。ただそれでも、『パルワード』自体にAIが使用されている決定的な証拠にはならない。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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