Bloombergのマーク・ガーマンがニュースレターPower Onの最新号に書いた記事によると、Series 9とUltra 2の販売を可能にするために、ソフトウェアを変更することで血中酸素濃度測定機能を削除したアップルの対応は、問題の始まりに過ぎないという。
ガーマンはこれをソフトウェアの微調整と呼び「変更は簡単。アップルは規制のために一部のヘルス機能を無効化したApple Watchをすでに販売している。米国内で血中酸素のスイッチを同じように入れるだけでよい」と述べている。
しかしそれに加えて、同機能がなくなることが、この2機種の販売に影響するかどうかという問題もある。
「影響するとは思えない。しかしながらアップルにいくつかの問題を残している。1つは、少なくとも、これは大きな恥で、面目丸つぶれであることだ。特許侵害の訴訟を起こして、問題の発端となったMasimoのトップは、テレビでアップルバッシングをするつもりで、謝罪を要求するとともに自社製品を自慢しようとしている。この人物はアップルのライバルの中でも特別な立場にある。米国国際貿易委員会に米国内でのアップル製品の販売を禁止させ、巨大なアップルに機能を削除させた会社は他にない」とガーマンはいう。
そして、今年秋に登場するであろう新しいApple Watchの製品群に対して重要な影響がある。ガーマンによると、Apple Watch Series 10とUltra 3に搭載予定となっている新たなヘルス機能は、睡眠時無呼吸の検出であり、これは間違いなく重要な健康指標だ。
「睡眠時無呼吸症候群を検知するためには、正確な酸素濃度データの取得が不可欠だ。つまり、現在の血中酸素濃度測定機能に関する争いが、新機能に影響を与える可能性がある、少なくとも今は」
これに関して私はガーマンほど確信はもてない。アップルは次のApple Watchのために血中酸素濃度を測定する別の方法を検討しているに違いない、それが巧妙なソフトウェアなのか、新しいセンサーなのかはわからないが。いずれにせよ、実現すれば睡眠時無呼吸の検出機能は再び軌道に乗る。もちろんアップルは工程計画が変わることを望んでいない。他社のウェアラブル製品は睡眠時無呼吸症候群の追跡を行っているため、アップルがこの機能の実現を目指していることは間違いない。
(forbes.com 原文)