Cici AIとChitChop、Cozeは、ユーザーが独自のチャットボットを作成して共有できるボット開発プラットフォームだ。一方、BagelBellは読者の選択に基づいて変化する物語の筋書きやテキストを生成する。しかし、バイトダンスは、これらのアプリの基盤となる大規模言語モデルを自前で構築していない。同社の広報担当者であるジョディ・セスによると、同社はMicrosoft Azureのライセンスを通じてOpenAIのGPTテクノロジーにアクセスし、これらのアプリを開発したという。
新アプリのウェブサイトや利用規約には、バイトダンスに関する記述はない。3つのアプリは、バイトダンスが新たに設立した子会社であるSpring (SG) Pte. Ltd.が運営し、もう1つはバイトダンスの子会社で、過去に官能的なウェブ小説やゲームを発売していたPoligon Pte.が運営している。
CiciとChitChopがエンターテインメント性に重点を置き、架空のキャラクターやロマンチックなコンパニオンのボットを提供しているのに対し、Cozeは業務効率化を目的としたボットを提供している。Google Playストアで最も人気が高いのはCiciで、これまでに1000万回以上ダウンロードされている。
バイトダンスは、他にも短編動画を生成するAIツールをリリースしたり、MidjourneyやDall-Eのような画像生成AIツールの開発を試みていることが報じられており、生成AIの分野で競合他社に対抗しようとする姿勢が伺える。他社では、フェイスブックが今年9月にセレブリティをベースにしたチャットボットをリリースしているほか、スナップが4月にAIチャットボットをスナップチャットに組み込んでいる。
大手テック各社は、自前の生成AIツールを開発している。例えば、マイクロソフトはOpenAIへの100億ドル規模の出資により、自社のソフトウェアツールの多くにAIアシスタントを搭載している。また、グーグルはGPT-4に対抗する新しい大規模言語モデル「Gemini」をリリースし、アマゾンはスマートスピーカーのAlexaに生成AI製品を統合している。
現在のところ、4つの新アプリのうちCozeのみが現在、米国で利用でき、EUでは1つも利用できない。米国やEUに進出する前に、規制の緩い小規模な市場でテストを行うことは、テック大手ではよく見られる。今後の計画についてセスに尋ねたところ、彼女は「まだテスト段階にある」とだけ答え、詳細な説明は避けた。