経済

2024.01.22 09:00

米露の貿易、ソ連崩壊後最低水準に ウクライナ侵攻の影響で

品目別でも軒並み激減

過去2年間の米露間の貿易の激減は、広範囲かつ多岐にわたっている。2021年1~11月期のロシアへの輸出上位50品目のうち、20%に相当する10品目が、昨年11月までにゼロになった。ここには、トラクター、ディーゼルエンジン、タイヤ、人工衛星と関連機器、商用車、宝石、部品などが含まれる。同時期のロシアからの輸入の上位50品目のうち、金額で30%に相当する15品目も同様に、昨年11月までにゼロになった。ここに含まれているのは、石油精製品、銑鉄、エビなどの甲殻類、鉛、非エンジン航空機部品、魚の切り身、鋼塊、練炭などだ。

ロシアは1年足らず前まで、ガソリン全種類を含む石油精製品の米国に対する最大の供給国だったが、これはバンカー燃料と呼ばれる極めて特殊な石油精製品の輸出によるものだった。

これは米国の空港や港湾の事業にも影響を及ぼしている。2021年以降、ロシアとの貿易を行う米国の空港や港25カ所のうち、24カ所で取引が縮小。うち12カ所では90%以上、7カ所では97%以上減少している。唯一の例外はノースカロライナ州ウィルミントン港で、貿易額が18.22%増加した。2021年時点でロシアとの貿易が行われていた米国の上位5港、すなわち1位のニューオリンズ港(33.1億ドル、約4900億円)、2位のジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港(16.7億ドル、2470億円)、3位のヒューストン港(22.2億ドル、約3290億円)、4位のニューアーク港(22.5億ドル、約3330億円)、5位のフィラデルフィア港(13億ドル、約1930億円)では、貿易額がそれぞれ10億ドル(約1480億円)以上減少している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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