『パルワールド』は予想外の良ゲー ポケモンの模倣で終わらない驚きのクオリティ

自分はまだ銃を入手できていないため「銃を撃てるポケモン」にはまだ至っていないが、それでも槍や弓で狩りや戦闘をしたり、巨大な草属性の恐竜や、恐ろしい雷属性の猫を戦わせて敵を倒したりするのは楽しい。素材集めは序盤では少し疲れるが、どのパルにどの仕事をさせればいいかがわかってくればだいぶ楽になる。特に、木材と石を自動で生産できるようになると、1日に何度も外に繰り出して木と岩から素材を採取する必要がなくなる。

グラフィックはとてつもないクオリティというわけではないが、ゲームエンジンに「Unreal Engine 5」を使い、『フォートナイト』のような見た目とプレイ感を実現している。ゲームフリークの本家『ポケモン』が過去数作にわたり、Nintendo Switchの限られたグラフィック性能でさえも引き出しきれていなかったことと比較すると、その差は歴然だ。『ポケモン』にはより奥深く複雑なモンスター戦闘システムがあるのだが、グラフィック面では新作が出るたびに粗さが目立っていた。『パルワールド』はそのすきに入り込み、Steamでの同時接続プレイヤー数が100万人に迫る人気を得た。

私の画面上に今、数匹のヒツジの死体がビーチボールのように転がっていることからわかるように、『パルワールド』はとても笑えるゲームだ。しかし、クラフト/建築/チーム管理のコア部分がしっかり作られており、強力になっていく武器とパルを使ったリアルタイムバトルは実に楽しい。もしこうしたコア部分がうまく機能しなければ、いくらポケモンにAK-47やガトリングガンを持たせても良いゲームにはならない。しかし『パルワールド』は、実際のゲーム部分がおもしろいのだ。

同作は「Game Pass」で配信され、Steamでわずか27ドル(日本円での価格は3060円)で販売されていることも相まって、良い口コミが雪だるま式に広がっていった。多くの人がこのゲームにのめり込んだのも、大いに納得がいく。数百億円の予算と6年の開発期間を投じて開発されたAAAゲームが、どこからともなく表れたゲームと比較してかすんで見えるというのはとんでもないことだ。

『パルワールド』は、おもしろいゲームの要素を多く兼ね備えている。『Valheim』や『フォートナイト』『ポケモン』が好きな人なら、きっと気に入るだろう。訴求できるプレイヤー層はとても広い。このコンセプトがうまくいったのは明らかだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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