「銃が撃てるポケモン」 新作ゲーム『パルワールド』が大ヒット

Pocketpairの新作ゲーム『Palworld / パルワールド』(c)Pocketpair

新作ゲーム『Palworld / パルワールド』が早期アクセス開始早々にヒットを飛ばしたことは驚きかもしれないが、その理由を説明するには「銃が撃てるポケモン」と言えば十分だろう。

実際の内容はそれよりも少し複雑なのだが、開発元のPocketpair(ポケットペア)が目指したものをざっくりまとめると、そういうことになる。同作はPCゲームプラットフォームのSteam(スチーム)で早期アクセス版の販売が開始。マイクロソフトのサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」でも配信されている。

本記事の執筆時点で、Steamでの同時接続プレイヤー数は37万人で、ランキングの常連である『Counter-Strike 2(CS2)』と『Dota 2』『PUBG』に次いで4位に入っており、『Apex Legends』や『Grand Theft Auto V(GTA5)』『バルダーズ・ゲート3』を上回っている。売り上げのランキングではトップだ。

同様にTwitch(ツイッチ)では、ライブ配信の視聴者が『GTA5』や『CS2』『League of Legends』『フォートナイト』を超える31万2000人となり、現在最も視聴されているゲームとなっている。プレイヤー数が多いのは、Steamでの価格が27ドル(日本円での価格は3060円)と、通常のAAAタイトルの3分の1余りであることも理由の1つだろうが、同作が実際におもしろいこともその人気に拍車をかけている。

「銃が撃てるポケモン」というコンセプトが、安易なショベルウエア(質を重視せずに多くの要素を詰め込んだソフト)による手っ取り早い金儲けとなり得ることは容易に想像できる。だが開発チームは、このゲームがとてもおもしろい内容になるよう、入念に開発に取り組んだ。その結果、Steamでは数千件のユーザーレビューで「非常に好評」の総合評価を得ている。Xboxは同作のポテンシャルをいち早く察知し「Game Pass」に取り込んだ。

開発チームは、同作のリリースを記念したブログ投稿で、次のようにコメントしている。

「パルワールドは、初めは小さな4人のチームで始まりました。

もし、活き活きとした“感情”を持つパルといっしょに冒険し、生活し、拠点を作ったら、どんなにおもしろいだろう?

そのような思いを込めて、3年間、一所懸命に開発をしてきました。
そうしていくうちに、パルワールドに共感する開発者が次々と集まり、私たちの想像をはるかに超えた、本当におもしろいゲームに仕上がっていきました。

パルワールドは、ここからがスタートです」

『パルワールド』には、笑いを誘うぶっ飛んだ戦闘以外にも、ポケモンより優れているとは言えないまでも、異なった点がたくさんある。例えば、大規模な自動生産システムを構築できる拠点作りや、ゲームエンジン「Unreal Engine 5」の採用だ。本家の『ポケットモンスター』シリーズはNintendo Switchで大ヒットし続けているものの、使われている技術は古く、新作が発売されるたびに、Switchの限られた性能でさえも生かし切れていないとの不満が上がっている。『パルワールド』は、グラフィック面ではポケモンのずっと先を行っている(もちろん、長期的にはポケモンに匹敵するような人気は得られないだろうが)。

私はこれまで同作に注目していなかったのだが、今ではプレイが必須とみられるタイトルになった。この快進撃がいつまで続くかわからないがとてもおもしろいゲームのようだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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