大手資産運用会社のフィデリティを母体とするEight Roads Ventures Japanは、ミツモアが総額23億円の資金を調達した22年8月のシリーズBラウンドでリード投資を行った。同VCヴァイスプレジデントのソフィー・メラリが投資した理由とは。
メラリ:ミツモアが手がけるサービスの領域は、海外ではユニコーン企業が複数存在していて、当社としても7年ほど前から注目してきました。そのなかでも石川さんの掲げる「日本のGDPを増やし明日がもっといい日になると思える社会に」というミッションは印象的で、事業に臨む姿勢や業界理解の深さ、実践的なアプローチに魅了されています。
石川:実はEight Roadsには、19年のシリーズAの際にもお声がけしたのですが、当時はまだ事業が小さく、この先どこまで大きくできるか確信がない状態でお話をしたこともあり、出資は見送られたんです。トラクションもできてきたシリーズBのタイミングでは、これからの発展について解像度を上げたお話をすることができ、事業に対する想いに共感いただいて本当にうれしかった。デューデリジェンス(DD)はとてもヘビーで、質問やデータのリクエストを大量にいただき、徹夜対応したこともありましたが(笑)。
メラリ:しっかりと業界や投資検討先の理解を深めるために、グローバルスタンダードなDDをしているだけですよ。プラットフォームの「ミツモア」はもちろんですが、日本市場ではSaaSの「MeetsOne」にも相当なホワイトスペースがあります。ビッグビジョンを具現化するために、スピード感をもってふたつの事業を推進している経営チームを高く評価しています。特に石川さんは、起業家として助けを求めることを恐れず、人の力を借りてその能力を引き出すことに長けています。
石川:確かに図々しいレベルでいろいろなお願いをしているかもしれない(笑)。例えば、投資家の皆さんには、日本をよくするためだから当然、協力してくれますよねということで、紹介してほしい会社のリストを2、3カ月ごとに送るようにしています。
メラリ:500社はありますよね(笑)。