国内

2024.01.31

日本中のくらしと現場仕事を支えるインフラへ

(写真左)投資家 ソフィー・メラリ|Eight Roads Ventures Japan(同右)起業家 石川彩子|ミツモア

石川彩子は2017年2月、ミツモアを創業。同社は、ハウスクリーニングや引っ越しといったくらし関連のサービスから税理士や行政書士への依頼、勤怠管理システムのようなソフトウェアなどのビジネス関連まで600以上のサービスを見積もり・発注できるプラットフォーム「ミツモア」を運営。提供開始から6年で累計依頼数は400万件を突破している。22年8月には、短期工事の現場仕事を効率化するSaaS「MeetsOne」もリリースした。

大手資産運用会社のフィデリティを母体とするEight Roads Ventures Japanは、ミツモアが総額23億円の資金を調達した22年8月のシリーズBラウンドでリード投資を行った。同VCヴァイスプレジデントのソフィー・メラリが投資した理由とは。


メラリ:ミツモアが手がけるサービスの領域は、海外ではユニコーン企業が複数存在していて、当社としても7年ほど前から注目してきました。そのなかでも石川さんの掲げる「日本のGDPを増やし明日がもっといい日になると思える社会に」というミッションは印象的で、事業に臨む姿勢や業界理解の深さ、実践的なアプローチに魅了されています。

石川:実はEight Roadsには、19年のシリーズAの際にもお声がけしたのですが、当時はまだ事業が小さく、この先どこまで大きくできるか確信がない状態でお話をしたこともあり、出資は見送られたんです。トラクションもできてきたシリーズBのタイミングでは、これからの発展について解像度を上げたお話をすることができ、事業に対する想いに共感いただいて本当にうれしかった。デューデリジェンス(DD)はとてもヘビーで、質問やデータのリクエストを大量にいただき、徹夜対応したこともありましたが(笑)。

メラリ:しっかりと業界や投資検討先の理解を深めるために、グローバルスタンダードなDDをしているだけですよ。プラットフォームの「ミツモア」はもちろんですが、日本市場ではSaaSの「MeetsOne」にも相当なホワイトスペースがあります。ビッグビジョンを具現化するために、スピード感をもってふたつの事業を推進している経営チームを高く評価しています。特に石川さんは、起業家として助けを求めることを恐れず、人の力を借りてその能力を引き出すことに長けています。

石川:確かに図々しいレベルでいろいろなお願いをしているかもしれない(笑)。例えば、投資家の皆さんには、日本をよくするためだから当然、協力してくれますよねということで、紹介してほしい会社のリストを2、3カ月ごとに送るようにしています。

メラリ:500社はありますよね(笑)。
次ページ > 気持ちはチームの一員

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

タグ:

連載

私がこの起業家に投資した理由

ForbesBrandVoice

人気記事