ポーランドのミサイルメーカーWZUは、ブークの原型の発射機「クブ」とシースパローの最新モデルである発展型シースパローを組み合わせた。だが、射撃管制に同じ改造を施した同系列の発射機が古いシースパローを発射できないわけがない。
同じ頃、チェコの軍需企業レティアが同国軍の試験用にミサイル「アスピーデ」を発射するクブを作った。アスピーデはイタリアが自国版として開発したシースパローだ。
数年後、WZUはドイツ製ミサイル「IRIS-T」を、改修したオーサで試験した。オーサが赤外線誘導のIRIS-Tを発射できるなら、サイドワインダーも発射できるはずだ。
ウクライナ軍のフランケンSAMの中で、パトリオットを使ったものは唯一、ゼロから設計する必要がある。また、フランケンSAMの中では最も急を要していないかもしれない。
ウクライナ軍は少なくとも3基のパトリオットシステムを運用しており、それぞれレーダーとミサイル4発を搭載できる発射機6基ほどを備えている。2基は首都キーウと東部ハルキウを守り、3基目は南部戦線に沿って移動しながらロシア軍の戦闘機を待ち伏せしている。
ウクライナ軍の司令官らは、パトリオットシステムがもっと欲しいに違いない。フランケンSAMのパトリオットでも十分かもしれない。不足が懸念されているのはミサイルであり、発射機ではない。
ウクライナが保有するパトリオットのPAC-2ミサイルが不足し始めたのは昨年12月のことで、ちょうどその頃、米国のウクライナへの軍事支援の資金も底をついた。米下院のロシア寄りの共和党議員たちは、ウクライナへの610億ドル(約9兆円)の追加支援案の採決を数カ月にわたって拒否してきた。
パトリオットミサイル不足はかなり深刻で、米当局者は昨年末、日本の当局者と前例のない買い戻しを交渉した。米国の在庫を補充するために、そして米国がウクライナにミサイルを供給しやすくするために、日本は米国に何十発ものパトリオットミサイルを輸出することになっている。
(forbes.com 原文)