アジア

2024.01.19

中国の人口が2年連続で減少、「コロナ関連死」急増も一因に

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中国の2023年の人口は、出生率の低下と死亡者数の大幅な増加によって2年連続で減少した。中国政府は、同年初頭にゼロコロナ政策を撤廃し、その影響でコロナ関連死が急増したとの見方も浮上している。

中国国家統計局が1月17日に発表したデータによると、2023年の死者数は1110万人で、前年に比べて約69万人増加した。同年の死亡率は人口1000人当たり7.87人で、前年の7.37人から上昇し、1974年以降で最大を記録した。

ブルームバーグは17日の記事で、死亡者数の急増が、中国政府が3年近く続いたゼロコロナ政策を撤廃して以降に、新型コロナウイルスの感染者数が急増したことに関連している可能性が高いと指摘した。

中国当局のデータでは、死因に基づく死亡者数の内訳は示されておらず、他の要因が死亡率の急上昇に寄与した可能性もある。当局は、ロックダウンなどの制限措置を緩和した2022年末に感染者数が急増した中で、日ごとの感染者数や死者数の公表を停止していた。

中国政府が世界保健機関(WHO)と共有した公式データによると、中国で新型コロナウイルスが原因で亡くなった人の数は、約12万2000人に過ぎないとされている。

中国では2022年12月に厳格なロックダウンや検査措置が撤回されて以降、新型コロナウイルスの感染者数と入院者数がほぼ即座に急増した。しかし、中国政府は、コロナ禍からのスムーズな脱出をアピールし、データの欠如に対する人々の懸念が高まった。

中国当局は2023年1月、ロックダウン措置を解除して以降の1カ月で約6万人近くが死亡したと発表したが、この数字も過小報告が疑われている。ニューヨーク・タイムズ(NYT)がまとめた推計によると、2022年12月から2023年2月にかけて続いた感染者数の急増で、100万人から150万人が死亡した可能性が高いという。米疾病対策センター(CDC)が発表した香港と米国の科学者グループによる別の推計では、この期間の死者数は141万人に達した可能性があるとされた。

中国の人口は2023年に2年連続で減少し、前年比208万人減の14億900万人となった。その結果、昨年はインドが中国を抜いて世界一の人口大国となった。死亡者数の急増もさることながら、中国の人口減少に拍車をかけているのは、記録的な少子化であり、2023年の出生数は前年比5.7%減の902万人だった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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