カレラによると、価格を低く抑えるには「業者との多大な交渉や協力が不可欠」で、それでも多くのレストランチェーンと同様に、インフレで低価格の維持が難しくなっているという。
メニューを厳選して数を抑えることで、廃棄にかかる費用も削減できる。また、回転を維持して多くの客にサービスを提供することができ、リピーターにもつながっている。こうしてハラルガイズは「手頃な価格と収益性の微妙なバランス」を保っている、とアブーレニエンは説明する。
ハラルガイズが新しい都市に進出する際には、情報発信し、幅広い新規客にアピールするためにかなり集中的に取り組む。インスタグラムやフェイスブック、X(旧ツイッター)といったソーシャルメディアの活用、地元のインフルエンサーとの提携などだ。そして、割引や無料サンプル、宣伝で目を引くようにして開店させる。
また、一部の市場ではラジオ広告を流し、イェルプやトリップアドバイザー、グーグルでのレビュー投稿を促す。「満足した顧客からの好意的なレビューは、オンライン上で信頼を得るのに貢献する」とアブーレニエンは言う。
イェルプについて言えば、マンハッタンにあるハラルガイズでの食事に対する反応はほとんどが好意的だった。カリフォルニア州オレンジ郡から来たティファニーは、ニューヨークの料理は地元よりも「ボリュームがあり」、「肉がとてもおいしい」と評価。よく味付けされた鶏肉と牛肉のコンボと、添えられたクリーミーなホワイトソースがかかった香り米が気に入ったようだ。
バージニア州フォールズチャーチから来たサンチータは、10ドル(約1500円)ほどで食べられるボリュームたっぷりの鶏肉ボウルが気に入った。サービスが素早かったとも指摘した。
レヌマは8年前にニューヨークに来たとき、初めてのレストランでの食事がハラルガイズだったという。料理は「できたての熱々」だったが、鶏肉が少し淡白でパサついていると感じた。だが、ハラルガイズは「ボリュームをケチらない」とレビューに書いた。
ハラルガイズの主な競合相手について質問されたカレラは「私たちの見方では、当社ほどの規模で直接競合するところはない」と回答。ライバルの大半は家族経営の店だ。例えば、グリニッジビレッジにある「ケバブ・エクスプレス」のメニューはよく似ている。
カレラは、ハラルガイズのターゲット層を「様々な人種が混在している」と表現している。それはまるで、同社創業の地である、人口860万人の大都市ニューヨークのようだ。
2024年には、5年以上前に開店した店舗が改装される予定だ。そしてカレラは、鶏肉のシャワルマなどの新メニューの登場も示唆した。
ニューヨーク育ちのカレラによると、ハラルガイズの持続的な成功の鍵は、第一に料理の品質、第二にFC加盟者とのコミュニケーション、特に加盟者の言葉に耳を傾けること、第三にブランドのマーケティングと認知度の維持、そして第四に屋台からFCを立ち上げた時のオーナーたちのようにフレンドリーであることだという。
(forbes.com 原文)