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2024.01.19

人口減に悩むクロアチアの田舎町、22円で家を販売

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イタリアのとある町が打ち出した1ユーロ( 約160円)での住宅販売は世界のメディアをにぎわせ、多くの米国人が非常に美しい丘の上の村や海辺の町への移住にそそられた。

そして今、別の欧州の国がさらに一歩踏み込んだ取り組みを展開している。思い切って外国に移住する絶好の機会かもしれない。

クロアチアのある町が、13セント(約22円)という名目的だが具体的な価格で住宅を売り出している。イタリアの格安で住宅を販売する取り組みと同様、著しく減っている人口を増やすためにこの計画を立ち上げた。概要は以下の通りだ。

ハンガリー国境近くの町

レグラードはクロアチア北部の小さな田舎町だ。ハンガリーとの国境となっている、蛇行するドラバ川沿いに位置する。緑地が多く自然豊かな町で、夏には川辺のビーチでくつろぐことができる。

100年ほど前にオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊した際に国境が引かれ、かつて繁栄していたこの町はクロアチアの端にきた。現在、この小さな町の人口はわずか2000人で、町は住人を増やしたいと考えている。町議会はこのほど、レグラードへの若い家族の移住を促進することを目的とした制度を立ち上げた。

町は、住宅をほぼ無料で、実際には13セントという名目的な価格で提供する計画を発表した。レグラードはすでに、メディアの注目と住民となる人を引き寄せるためにこの戦略を試みており、2021年に空き家を1クーナで売り始めた。

「他の場所と行き来する交通がほとんどない国境の町になってしまった。以来、人口は徐々に減少している」とイヴァン・サボリッチ町長は当時ロイターに語った。

町議会がこのほど住宅販売を発表して以来、この計画にはすでに関心が寄せられている。

「5軒の入居可能な家が売りに出され、すでに3世帯が入居している。うれしいのは、3世帯とも入居後に新しい家族を迎えたことだ。保育所の子どもの数が増えた」とサボリッチ町長は語った。

では、なぜ価格は13セントなのだろうか。クロアチアは昨年ユーロを導入したが、前回の格安住宅制度の名目の販売額だった1クーナの価値が現在約13セントだからだ。

申し込み要件

もちろん、この制度を通じて新たにレグラードの住民になるにはいくつかの条件がある。45歳未満であること、結婚している、またはパートナー関係を持っていること、犯罪歴がないこと、他に家を所有していないことなどだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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