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2024.01.25

経営者はAIとどう向き合うべきかーーUiPathの共同CEOが語る「AI技術が形成する未来の業務フローと働き方」

ChatGPTの誕生によって誰もがAI技術を認識するようになった。アメリカでは金融やヘルスケア、政府などでAIを活用した業務の自動化が進んでいる。

UiPath(ユーアイパス)は2015年からAI技術をプロダクトに活用してきた、ビジネス・オートメーション・プラットフォームを提供する企業だ。UiPathの共同最高経営責任者であるロブ・エンスリン(以下エンスリン)に、AI搭載の業務自動化によって訪れる働き方の未来、そして経営者はAIにどう向き合うべきかを聞いた。

AIによる自動化を先駆けて実現した企業は、競合優位性が上がる

AIによる業務の自動化を実現している日本企業はまだ少ないのが現状だ。エンスリンは日本の状況をどのように見ているのだろうか。

「日本が世界に比べて遅れているわけではありません。今後、AI技術がもたらすインパクトはより明確になり、世界の未来を形成していくことになるでしょう。その際、積極的に新しい技術をテストしていく企業が、様子見している企業より早くメリットを享受することは間違いありません」

AIによる業務の自動化に積極的な国はアメリカだ。銀行・保険などの金融業、医療機関、製造業や政府などでAIを活用した業務の自動化・効率化が進んでいる。

「アメリカでAIの活用がより進んでいる業界は共通の課題を抱えています。独自の規制による事務手続きや、大量のペーパーワーク、変更が容易ではないレガシーシステムなど、手間のかかる業務が多い点です。さらに、政府や医療機関においては、こうした業務を処理する人材確保にも苦戦しています。これらの業界では、業務の自動化を進めることが、課題の解決に大きく貢献しています」

なぜAIによる業務の自動化・効率化が企業にとって重要なのか。それはナレッジワーカーをコア業務に集中させることができるからだ。例えば、医療機関の事務作業が自動化されれば、医師はペーパーワークから解放され、より重要な患者との対話の時間に注力できる。

「大量のデータの分析はAIに任せて、人間が意思決定だけに集中できるようになれば、企業の意思決定スピードも上がります。ですから他社に先駆けてAIによる業務の自動化に取り組むことは、企業の競合優位性につながるのです」

UiPathの強みは、ユーザーを深く理解していること

UiPathは15年からAIをプロダクトに組み込んでいる。かつてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と呼ばれていた技術は進化を遂げ、今では文脈を理解するAIによる自動化が実現している。

「元々のUiPathの強みは『Computer Vision(コンピュータビジョン)』という、コンピュータ画面内のアプリケーションやWebサイト内の要素を認識するコア技術です。この技術があるからこそ、例えば、スプレッドシートの情報を、社内システムにコピー・ペーストする作業において、各項目の入力位置や内容を理解して自動的に入力させることも可能となります」

多くのAIソフトウェア企業が業務のプロセスに注目しているが、UiPathはプロセスだけでなくユーザーに対しての深い理解がある。いち早く製品にAIを取り入れ、人間の振る舞いを理解するための大量のデータを分析してきたからだ。

また、自然言語処理の技術で文章を解析し、業務を自動化できる「UiPath Communications Mining」という製品は、多くの企業の業務に活用できる。

カスタマーサポートチームに届いたメールを例に挙げると、まずはテキスト情報を読み込んで分類し、固有表現を抽出したうえで、 ERPソフト内のデータの値を更新したり、返信用メール文の下書きを自動作成することもできる。

感情面での分析もできるため、怒っている顧客だと判断した場合は、自動でマネジャーにエスカレーションするなどして緊急度を上げた対応が可能だ。

人間にとって、大量の情報を読み込み理解するには個人差こそあれ一定の時間がかかる。一方、AIは多くの情報を短時間で読み込み、パターンを見つけることが得意だ。AIが大量のデータから出した結果に対して、人間が正否をフィードバックしていけば、AIの精度はどんどん上がっていく。

UiPathはAIの特性を生かし、企業の自動化・効率化を進める技術を進化させている。同社が体現する「AI at Work」とは、AIの持つ可能性を成果へと変換するというコンセプトである。それはつまり、自動化という手段を通してAIの特性を活用し、今までは不可能だったような業務プロセスの変革を、企業にもたらすことを意味する。

「私たちは、AI搭載の自動化の普及が社会貢献につながると考えています。業務の自動化によって、人々が高い生産性を発揮し、価値がありワクワクする仕事に取り組める。そんな未来を実現するためのテクノロジーを開発しているのです」

実際にUiPathのテクノロジーを導入して、高い生産性を実現している日本企業がある。三井住友信託銀行は17年にUiPathの製品を導入した。その結果、累計で50万時間超(23年3月時点)の時間が生まれ、業務プロセスが標準化されて業務品質も向上したという。

同社は23年7月から「UiPath Communications Mining」による、メール仕分けの自動化業務の試験運用も開始した。これまでは毎日1,000通以上のメールを4名が読み込んで仕分けをしていたが、今後は2人で業務をハンドリングできるようになる。もともと当該業務には高スキル人材を配置する必要があったため、省力化によって人材配置の最適化にもつながる見込みだ。

経営者はAIのインパクトを理解し、ビジョンに落とし込むべき

「地球の人口は増加トレンドではなくフラットな状態になっています。一方、テクノロジーはどんどん進化し、誰もがあらゆる情報を手に入れられるようになりました。その結果、人々はより多くの意思決定をする必要に迫られています。だからこそ、AI搭載の自動化で生産性を高める必要があります」

多くの企業の業務に、AI搭載の自動化を実行できる未来はすぐそこまで来ている。

「情報を見つけ、読み込むといった時間のかかる作業をAIに任せれば、人間の仕事は判断や意思決定に絞られます。個人的な見解ですが、1週間に5日・1日8時間働くというワークスタイル自体が刷新されるかもしれません。朝は子供を学校に見送って犬の散歩をし、オフィスに10時に出勤する。仕事を終えて帰るのが16時というワークスタイルになれば、家族と過ごす時間が増えて、生活の質も上がるでしょう」

AI搭載の業務自動化によって、働くことへの意識までもが変わるかもしれない。この急激な変化の兆しに対し、経営者はAIの進化とどのように対峙していけばいいのだろうか。

「まず、経営者はAIやソフトウェアを受け入れる姿勢をもつことが必要です。細かな技術を理解する必要はありませんが、テクノロジーを自社でどう生かせるのかを大枠で理解する必要があります。さらに、効率化がもたらす先の働き方をビジョンとして落としこみ、社員がAIのインパクトを理解してメリットを享受できるように働きかけていくべきです。経営者からの発信がなければ、社員はすでにAIを活用している他社に移ってしまう可能性もあるでしょう」

AIによる自動化に対して、今まさにどう取り組むかが、今後の企業の明暗を分けるといっても過言ではない。若者が「勤務時間が短く、ワクワクする仕事がしたい、もっと価値の高い仕事をしたい」と思うようになれば、そうでない企業は必然的に選ばれなくなる。エンスリンは最後にこう話した。

「人間の歴史でもっとも素晴らしい発明はテクノロジーであり、ソフトウェアです。AIと自動化によって人々の生活の質を上げ、地球をより過ごしやすい星にしていきたいと考えています」

UiPath


ロブ・エンスリン◎ UiPath 共同最高経営責任者。Google Cloudのクラウドセールス担当プレジデント、SAP クラウドビジネスグループのプレジデント 兼 執行役員を歴任。30 年以上にわたるエンタープライズソフトウェア業界での経験から、UiPathでは、グローバルな組織作りと運営、顧客・パートナーとの関係構築に従事している。

Promoted by UiPath / text by Kana Kubo / photographs by Shuji Goto / edited by Masako Kihara