ビットコインの価格は、ブラックロックらが申請した現物ビットコインETFの承認を受けて急騰した後、インフレを抑えつつ経済を安定させようとする米連邦準備制度理事会(FRB)の試みが、暗号資産の暴落につながるかもしれないという懸念の中で、下落している。
以前から個人で暗号資産を保有しているマスクは、自身が所有するX(旧ツイッター)を「何でもアプリ」に変貌させることを望んでおり、「2024年に革命を起こす」計画の一環として、個人間の送金機能を導入すると発表している。
そのXが今週、新たな送金ライセンスを取得していたことが明らかになった。ロイター通信によると、Xは15日にユタ州から送金ライセンスを取得。Xの決済機能を承認した州の数は15に達した。
Xは9日の公式ブログで「当社は、ピアツーピア決済を開始し、2024年の画期的なプロダクトで人々のコミュニケーションと商取引の新たな機会を解き放つ」と宣言し、ペイパルやビザ、さらには銀行と競合するという以前からの計画を改めて示していた。
一方でマスクは最近、Xのコミュニティのスペースの会話で、かつて自身が「地球の通貨にしたい」と語ったビットコインのライバルの暗号資産ドージコインを今でも大量に所有していることを認めた。
「私はまだドージコインを大量に保有しており、スペースXはビットコインを大量に保有している」とマスクは語った。また、テスラも約5億ドル(約740億円)相当の1万ビットコインを保有しているという。
ドージコインの価格は2021年に史上最高値を記録した後に暴落したが、現在でも115億ドルの時価総額を維持しており、暗号資産のトップ10にランクインしている。
10月にリークされたXの全体会議でマスクは「Xを包括的な金融プラットフォームにすることを目指している」と語っていた。専門家の間ではこの動きが、「暗号資産の普及に拍車をかける」との見方が浮上した。
「お金に関わるものはすべて、当社のプラットフォームに載ることになるだろう。通貨であれ、証券であれ何であれ」とマスクはその際に述べていた。
以前からXをペイパルの「アップデート版」にしたいと述べてきたマスクは、ここ数年、暗号資産の導入や統合をほのめかし、ビットコインやドージコインを含む主要なコインの急騰を後押ししてきた。
ペイパルはここ数年、ビットコインと暗号資産に傾倒しており、2020年後半にビットコインやイーサリアム、ライトコイン、ビットコインキャッシュのサポートを開始した後、昨年8月に独自のステーブルコインの「PYUSD」を立ち上げた。ペイパルのビットコインと暗号資産に対する最初のサポートは、ビットコインを7万ドル近くまで急騰させた2021年のビットコイン価格の暴騰を後押しした。
(forbes.com 原文)