S&P500種株価指数は、2022年1月に記録した日中の最高値である4818まであと1%に迫り、同じく同月につけた終値の最高値4796に近づいている。S&P500は先週、2年ぶりに4800台を回復した。
マイクロソフトの時価総額は先週、2021年11月以降で初めてアップルを抜いて世界首位に返り咲き、創業以来初めて時価総額3兆ドルを達成。アップルの記録に並ぶまであと3%に迫っている。
かつてはフェイスブックという社名で知られたメタの株価も、史上最高値まであと3%、時価総額1兆ドル(約147兆円)突破まであと5%と、記録的な上昇を続けている。
一方、ここ最近ダイエット薬で注目を浴びている製薬大手イーライリリーの時価総額は、電気自動車(EV)メーカーのテスラを追い越すまであと1000億ドル(14.7兆円)足らずに迫っている。今からわずか2年前に、テスラの時価総額はイーライリリーを約8000億ドル(約118兆円)も上回っていたが、両社は劇的な変化に直面している。
世界で最も価値が高い企業の筆頭株主らが上位を占めるフォーブスの富豪ランキングも、大きな入れ替えの時期を迎えている。アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは、LVMH会長のベルナール・アルノーを抜いて世界第2位の富豪になるまであと50億ドル(約7370億円)に迫り、メタのCEOであるマーク・ザッカーバーグも、オラクル共同創業者のラリー・エリソンを抜いて世界4位の富豪になるまであと40億ドル(約5900億円)に迫っている。約2300億ドル(約34兆円)の資産を保有するテスラのイーロン・マスクは、依然として世界一の富豪の地位を維持している。
今週は、市場を動かすような経済指標の発表は比較的少ないが、2022年の14年ぶりの下落率から劇的な回復を遂げた米国株式市場では、年初からS&P500の史上最高値の更新や、ハイテク大手の株価の最高値更新が相次いでいる。
しかし、これらのハイテク株を保有していない投資家にとって、この状況は歓迎すべきものとは言えない。時価総額の中央値が10億ドルをわずかに下回る米国の上場企業2000社で構成されるラッセル2000は、2021年のピーク時から約20%下落しており、社債と国債のリターンを測定するブルームバーグ総合債券指数は、2021年の最高値からほぼ10%下落している。
直近の注目ポイントとしては他に、決算シーズンの始まりが挙げられる。モルガン・スタンレーによると、S&P500企業の約60%が今後3週間に決算の発表を予定しており、24日のテスラや31日のマイクロソフト、2月1日のアップルとメタの決算に投資家の注目が集まっている。
(forbes.com 原文)