暗号資産

2024.01.17

香港の暗号資産取引所Hashkeyがユニコーンに浮上、150億円調達で

Xiao Feng Chairman & CEO of Hashkey Group(C)Hashkey Group

香港の暗号資産取引所を運営するHashkey Group(ハッシュキー・グループ)は、デジタル資産市場の先行きが再び楽観視される中、ユニコーンの地位を獲得した。

香港当局が認可した2つの取引所のうちの1つを運営するハッシュキーは1月16日、シリーズAラウンドで約1億ドル(約146億円)を調達し、評価額が12億ドルを超えたと発表した。創業6年の同社は、このラウンドの出資元の詳細を開示していないが、関係筋によると、別の取引所であるOKXの投資部門であるOKXベンチャーズがリードインベスターの1社だとされる。ハッシュキーとOKXはコメントを拒否した。

声明によると、同社は今回の調達資金を「Web3エコシステム」の拡大と、香港での認可済みのプロダクトの多様化に充てるという。

ハッシュキーの資金調達のアナウンスは、待望の現物ビットコインETFの取引が米国の株式市場で始まってから1週間足らずのタイミングで行われた。このETFの承認は暗号資産業界で、画期的な出来事として歓迎された。この動きはまた、FTXなどの大手取引所の崩壊が投資家の信頼を打ち砕いた後、資金不足に直面していた暗号資産関連のスタートアップに希望をもたらしている。

2018年設立のハッシュキーは、暗号資産のトレードや、ベンチャーキャピタル投資、資産管理、ブロックチェーンインフラストラクチャにまたがる事業を展開している。同社はまた、アジアの金融センターを暗号資産のハブにするという香港政府の野心に後押しされているが、香港の当局はここ最近、地元の取引所のJPEXが少なくとも2億ドルを投資家からだまし取ったとされるスキャンダルへの対応に苦慮している。

ハッシュキーは昨年8月、香港の規制当局から個人投資家向けの暗号資産の取引サービスの認可を受けた2社のうちの1社となった。それ以来、同社の暗号取引アプリは15万5000人以上の登録ユーザーを獲得し、過去30日間の1日あたりの平均取引高は6億3000万ドルに達しているとされる。

ハッシュキーは、同族経営の巨大不動産企業が多いことで知られる香港で数少ないユニコーンに浮上した。香港のユニコーンとしては他に、ブロックチェーンゲーム企業のAnimoca Brands(アニモカ・ブランズ)や、物流大手のLalatech(拉拉科技)などが知られている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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