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2024.01.17 10:30

アップルに大打撃 米最高裁、アプリ内課金めぐる上告を却下

安井克至

rafapress / Shutterstock.com

米アップルがアプリ開発者に課しているアプリ内課金の手数料が独占禁止法に違反しているとして、人気ゲーム『フォートナイト』開発元の米Epic Games(エピックゲームズ)が起こした訴訟で、米最高裁判所は16日、下級審の判決を不服として両社がそれぞれ行った上告を却下した。これにより下級審の判決が発効することとなり、アップルは数百億ドル(数兆円)の損害を受ける可能性がある。

カリフォルニア州の裁判所は2021年、アップルが同州の不正競争に関する法律に違反したと判断。アップルは昨年9月28日、この判決を不服として最高裁に上告した。一方のエピック側も同月27日、裁判所がアップルによるモバイルゲーム市場独占を認定しなかったことを不服とし、最高裁に上告していた。

最高裁が上告を却下したことで、上告中に差し止められていた下級審の判決が有効となり、アップルは今後、iOS向けアプリ開発者に対してアプリ内課金の代替手段提供を認めるよう義務づけられる。開発者は、アプリ内に代替決済方法へのリンクを挿入することで、アップルが課している最大30%の手数料を容易に回避できるようになる。これにより、アップルは年間数百億ドルの収入を失う可能性がある。

一方、エピック創業者で最高経営責任者(CEO)のティム・スウィーニーはX(旧ツイッター)への投稿で「iOSを、競合する各ストアや決済に開放することを目指した法廷闘争は、米国で敗北した。すべての開発者にとって悲しい結果だ」と表明した。

最高裁は、上告却下の理由を明らかにしていない。フォーブスはアップルとエピックにコメントを求めたが、今のところ返答はない。

エピックは2020年に起こした訴訟で、アップルが開発者に対しアプリ内課金手数料として売り上げの最大30%を徴収しているのは独禁法違反だと主張。エピックがアップルの手数料を回避するために独自の決済方法を設けたことから、『フォートナイト』は同年8月にアップストアから追放された。

カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は2021年、アップルによるモバイルゲーム市場独占は認めなかった一方で、同社が不正競争に関する州法に違反していると判断。アップルとエピックはいずれも控訴したが、第9巡回区控訴裁判所は連邦地裁の判決を支持していた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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