「当社の産業用ドローンは、農業から建設管理、測量に至るまで、さまざまな業界を変革してきた。FlyCart 30は複雑な地形やターミナル輸送の問題を効率的、経済的そして安全に解決し、空中配送の信頼されるソリューションになると確信している」とDJIのシニアディレクターであるクリスティーナ・チャンは声明で述べた。
FlyCart 30は、中国国内ではすでに半年前から販売されている。そのスペックは以下のとおりだ。
・積載量:30kg
・最大飛行速度:20m/s
・貨物モードとウインチモードの2種類の積載が可能。貨物モードの最大積載容量は70リットル。ウインチケーブルを使って安全に荷降ろしすることもできる。
・航続距離:積載物なしで28km。積載物ありの場合はその半分。
・動作温度:-20° C~45° C
・飛行高度:0~6000メートル
・センシング:デュアルレーダーとデュアルビジョン
DJIは、コンシューマ向けドローンの分野で有名だが、農業や法人、測量向けのドローンも製造している。同社は、FlyCart 30を山間部や海上への配送のほか、緊急救援輸送用といった特殊な用途向けとしてアピールする考えだ。特に、道に迷ったハイカーや登山者を見つけて物資を安全に届けるといった緊急救援輸送に対するニーズは大きい。
パラシュートの内蔵は、DJIがFlyCart 30の性能や航続距離に自信を持っていないようにうつり、マイナス要素に捉えられるかもしれないが、救助の分野においては明らかに大きなプラス要素だ。救命用具を届けるために航続距離を最大限伸ばす必要がある場合、ドローンをそっと着陸させ、別の日に再び飛行させることを可能にする機能を搭載していることは大きな利点だ。
DJIは、遠隔地の操縦者がワンクリックで他の操縦者にコントロール権限を移譲できる機能も搭載した。これは、捜索や救援の現場の近くに居てドローンをより適切にコントロールできる人がいる場合や、飛行中にシフトを交代する場合などに便利な機能だ。しかし、FlyCart 30の主要用途となる配達において、DJIはアマゾンやManna Aeroなどの業界リーダーたちとの厳しい競争に直面することになる。
FlyCart 30は、中国国内では12万5000元(約250万円)で昨年8月に発表されていたが、今回、日本でも発売となった。価格や納期などは、販売代理店に要相談とされている。
(forbes.com 原文)