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2024.01.24 15:30

独占告白! インスタカートの創業者が99億ドルIPOと同時に取締役を降りた理由

Forbes JAPAN編集部

メタの次の一手

インスタカートからの“イグジット”後も、メタの起業意欲は持続している。今、メタはクラウド・ヘルス・システムズというデジタルヘルス企業を立ち上げ中だ。

メタはかねてから、自身の“イグジット”について熟考してきた。20年に、グリーンオークス・キャピタルの創業者でメタのメンターでもあり、インスタカートの投資家でもあるニール・メタは、メタに残りのキャリアで何をしたいか尋ねたという。「本当に食料品デリバリービジネスで知られる男になりたいのか?本当にそれがきみの天職なのか?」と。メタは、この会話の影響は大きく、それがきっかけで「考えさせられた」と語る。

ジョシュア・クシュナー率いるスライブ・キャピタル主導の資金調達ラウンドで3000万ドルを調達したクラウド・ヘルスは、すでに物議を醸している。昨年12月、メタとビジネスパートナーのテジャスビ・シンは、別のスタートアップのアイデアをだまし取り、“模倣会社”を立ち上げたとして提訴された。ヘリオ・ロジスティクスという企業が起こしたこの訴訟は、投資家向けの適正評価手続きの過程でシンが同社の企業秘密を盗んだと訴えている。この訴訟は2月に和解に至った。メタは、一切の不正行為を否定している。「どんな知的財産も模倣したりしていません。(彼らの)企業秘密も何ひとつもっていません」。メタはこの新しい事業をもって、自身のキャリアを通じてひとつにとどまらない産業をつくり変えることを目指している。

メタが正式にインスタカートの取締役会から退き、ほかの活動に乗り出したあかつきには、CEOのシモがその後任として会長職に就くことになる。メタはシモの統率力を信じており、自分が取締役会長になってからの間にふたりの意見が対立したときは、彼女の判断を信頼してきたと語る。「どちらの主張にも一理あるものです。そうなったら、より現場に近い人間の考えを信頼しなければなりません」

アプールバ・メタ
◎アマゾンでサプライチェーン担当エンジニアとして、事業の運営スキルを磨く。その後2年間で20ものスタートアップを立ち上げ、21社目のインスタカートで大成功。現在は、クラウド・ヘルス・システムズの立ち上げに注力中。

文=リチャード・ニエバ 写真=クリスティ・ヘム・クロック 翻訳=木村理恵

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年1月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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