機内で安全な座席位置は?
飛行機の座席を予約するときには、乗降のしやすさや快適さだけを考えがちだ。しかし、調査によると、飛行機には比較的安全な場所とそうでないところがあるようだ。米国家運輸安全委員会が1971年以降に発生した20件の墜落事故で死亡者と生存者を調べたところ、搭乗者が助かった率は機体の後方に座っていた人が69%、前方に座っていた人は49%だった。翼の近くの席に座っていた人は59%だった。
窓側、中央、通路側のどこが安全か?
米連邦航空局(FAA)による米国におけるCSRTG航空機事故データベースの追跡研究では、1985年から2000年までの墜落事故のデータを分析。その結果、機体後部の座席が生存の可能性が高く、また横列では中央の座席が同様であることが確認された。機体後部の中央の席に座った人の死亡率は28%と最も低く、最も死亡率が高かったのは機体を縦方向に3分割すると中央にあたる部分の通路側席で、44%だった。CNNが指摘しているように、横列の中央の席が安全なのは、両隣の席の人によって衝撃が緩和されるからだ。
「座席の安全性」は状況次第
統計的には後部中央の座席に座った方が助かる可能性が高いが、墜落の仕方や飛行機が衝撃を受ける場所によって異なることは明らかだ。1989年にアイオワ州スーシティで起きたユナイテッド航空232便の不時着事故では、搭乗していた296人のうち助かった184人が機体前方に座っていた。CNNによると、山に墜落したり、海に機首から突っ込んだりする場合も生存率が下がるという。タイム誌の調査によると、いくつかの事故では、周りに生存者がいながら命を落とした人が何人かいるなど、生存率はまちまちだった。連邦航空局が、他の席より絶対に安全という席は飛行機の中にないと考えているのはそのためだ。
安全確保策
飛行機に乗る時、可能な限り安全でいるためにできることはすべてやったと安心したいのであれば、機内安全ビデオを観ること、非常口のドアの位置をメモしておくこと、素早く動ける服装でいること、アルコール飲料を控えること、そして何よりも、急いで脱出しなければならないときには荷物を持たないことだ。緊急事態が発生する確率
搭乗した飛行機が何らかの緊急事態に見舞われる確率は極めて低い。飛行機は厳格な試験を受けており、規制も厳しい。あるタイプの航空機で問題が発生すると、必要に応じてリコールされる。空の旅はかなり安全だ。パイロットは十分な訓練を受けており、着陸する場所を見つけるだろうし、飛行機は常に他の交通手段よりもはるかに危険性が低い。さらにいえば、自動車に乗っていて事故で死亡するよりも、歩行者として死亡するリスクのほうがずっと高い。バイクに乗るなら言わずもがなだろう。
(forbes.com 原文)