酸素探し
地球は大気に酸素が含まれていることで、好気呼吸する複雑な生命の生存に適した環境になっている。また、燃焼に不可欠な酸素は、地球での技術文明の発達を示す証拠でもある。米航空宇宙局(NASA)から資金提供を受けた今回の研究では、大気中の酸素と、遠方の惑星で地球外技術文明を見つけることの関連性について説明、酸素濃度の高い太陽系外惑星の探索を最優先することが、潜在的な「テクノシグネチャー(技術文明の存在指標)」を見つけるための重要な糸口になるかもしれないと示唆している。研究成果をまとめた論文は専門誌Nature Astronomyに掲載された。
酸素、火と「テクノシグネチャー」
系外惑星はこれまでに5200個以上見つかっており、現在はNASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた系外惑星の大気の研究が行われている。テクノシグネチャーは、過去または現在のテクノロジー(工学技術)の科学的証拠で、太陽系以外の恒星系における生命の存在を示すものだ。バイオシグネチャー(生命存在指標)として知られる、惑星の大気中に含まれる微生物の直接的証拠よりも、遠方の惑星のテクノシグネチャーのほうが見つけやすい可能性があるとする説がある。テクノシグネチャーの例としては、電波信号、人工照明、太陽電池パネル、惑星の周囲の人工衛星群、何らかの巨大構造物、大気中の産業汚染などが挙げられる。