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2024.01.16 10:30

CESで実感、2024年にメタバースは再び加速 支える日本の技術とプロダクト

ソニーが24年内の商品化を目指す「没入型空間コンテンツ制作システム」

同様の技術は一般に「XR(エクステンデッドリアリティ)」とも呼ばれる。ShiftallのMeganeXシリーズは、ヘッドセットの映像が透過しない。本機が搭載する高精細OLEDは映像の明暗とディティールを生々しく描き分ける。ゆえに外光の漏れ込みが発生しにくい非透過型のスクリーンが適しているのだ。

Apple Vision Proの登場は「追い風」

岩佐氏は「Meta Questシリーズを安価なままに抑えて量産できるメタの底力に、ShiftallのMeganeXシリーズが対抗できるとすれば美しい映像と、次の新製品は圧倒的な軽さ」なのだと話す。ターゲットユーザーはマスを狙わず、VRChatのようなVR系SNSサービスのヘビーユーザーに狙いを定めている。ヘビーユーザーが必要とする使い勝手は、実際に寄せられる数々のフィードバックに対して真摯に向き合いながら、MeganeXを丁寧にブラッシュアップしてきた。本体を軽くして、長時間装着時の着け心地を徹底的に高めたこともその一環だ。
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Shiftallはヘッドマウントディスプレイだけではなく、VRコントローラーの「FlipVR」やワイヤレスのモーショントラッキングデバイス「HaritoraX 1.1B」など、メタバースのデジタル空間内でユーザーが自由に動き回るために必要な多種プロダクトを発売してきた。この点ではアップルよりもたくさんの経験を積んでいるベテランだともいえる。

VR系SNSのボイスチャットを静かに行えるように開発されたShiftallのワイヤレス防音マイク「mutalk 2」幅広いメタバース関連プロダクトを揃えるところにもShiftallの強みがある

VR系SNSのボイスチャットを静かに行えるように開発されたShiftallのワイヤレス防音マイク「mutalk 2」幅広いメタバース関連プロダクトを揃えるところにもShiftallの強みがある

アップルがApple Vision Proを発売することについて、岩佐氏は「脅威ではなく追い風だ」と話す。製品の立ち位置が明快にすみ分けられているからだ。「Shiftallの製品はApple Vision Proを使って創られたコンテンツを、一般のコンシューマーに楽しんでもらうためにある。それぞれの立ち位置は異なっているし、互いに高め合えるポジティブな関係にあると受けとめている」と岩佐氏は前向きだ。
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編集=安井克至

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