スタートアップが「方向転換」を図るとき、留意すべき3つのポイント

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スタートアップの世界は、リスクだらけで見通しが立たないことばかりだ。徹底的に計画を練った上でビジネスを立ち上げても、何らかの不可抗力によって戦略を修正せざるを得ないことがある。

しかし、ビジネス戦略を抜本的に見直して方向転換(ピボット)を図ったスタートアップの75%は無事に成功を収めていることが、オンライン請求書サービスSkynova(スカイノバ)の調査で明らかになった。これは良いニュースだ。

スタートアップにとって、ピボットは時にビジネスの成功に不可欠だ。しかし、簡単というわけではない。スタートアップの75%がピボットに成功したということは、裏を返せば、25%が失敗したということだ。ピボットすべきタイミングとその理由を把握し、的を絞って戦略を変更すれば、たとえ困難な転換期であっても、成長とイノベーションを達成できる絶好の機会に変えることができる。

ピボットの必要性を理解する

事業戦略を抜本的に変更することは、費用がかかり、精神的な負担が大きく、時間もかかる。したがって、明らかに必要な場合を除けば行うべきではない。

「ピボットを無事に乗り切る上での第一歩は、ピボットすべきタイミングを把握することだ。今がまさにそのタイミングであることを示す重要な兆候としては、成長が停滞していること、市場動向が大きく変化していること、顧客から異なるニーズが一貫して寄せられていること、重要目標が未達成に終わったことなどがある」と話すのは、気候テック企業PLANT Group(プラント・グループ)の共同創業者オースティン・アリントンだ。同社はコロナ禍を機に、農地管理や緑化といった物理的な事業から、ソフトウェア提供へと軸足を移した。「現在の市場環境を乗り越えることができないのであれば、何か他のことに取り組むべきタイミングだということだ」

ピボットの必要性が明らかな場合もあるが、状況に敏感になることが必要な場合もある。「スタートアップは、フィードバックに敏感に反応しなければならない。ビジネスが少し停滞しているだけなのか、それとも、ビジネスモデルに根本的な欠陥があるのか。その違いを判別することが命運を左右する」とアリントンは助言する。「顧客から寄せられるフィードバックや市場動向、競争分析をもとに、自社が進むべき正しい方向性を見定めて決断しなくてはならない」
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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