AI

2024.01.17

人工知能に対して「慎重」に様子見をする経営者たち

写真:Shutterstock

経営幹部の約3分の2近く(72%)が、AIの責任ある使用に対する社会的圧力を主な理由として、生成AIへの投資に意図的に慎重な姿勢を取っていることがわかった。とはいえ、今日の技術の世界では、最新の動向に追いつけなければ、ビジネスから取り残される可能性がある。そのため、彼らはこの技術の潜在的な可能性を慎重に探っている。そして、結局は企業文化がその実装方法において決定的な役割を果たすだろう。

この結論は、アクセンチュアの「2024年におけるビジネスの進捗状況」に関する最新のパルス調査の中で、3400人の経営幹部層を対象とした主要なビジネス指標との比較から導き出されたものだ。

調査に参加した幹部たちは「最近の生成AIに対する反発(政策問題、精度の欠如、初期ROIの低さ)が、自分たちの組織のおける2024年の生成AIへの投資を遅らせる原因になる」との見解で一致していることが、調査から示されている。

新たな技術政策や規制も、71%の幹部によって肯定的なものと見なされている。

AIをどのように活用するかには、組織文化が重要な役割を果たす。人間ファーストの文化を持つリーダーたちは、AIを単なるツールと見なし、ビジネスを圧倒するものとは考えていない。アフラックの上級副社長キース・ファーレイは「既存のアプローチを強化するだけでなく、倫理的なやり方でAIを導入することが重要です」と強調する。

アフラックのAIに対する考え方は、長年の企業文化に沿うものだとファーレイは続ける。「私たちは、お客様の最善の利益を保護する方法でのみAIを使用します。たとえば、簡単な請求承認の決定をAIに任せることは問題ありませんが、複雑な決定の場合はそうはいきません。個々の健康プランに関する複雑な評価や、特定の事象がカバーされているかどうかの判断を下す際には、常に人間の最終決定が必要です」

「(保険会社の商品は)ときに最も困難な局面で関係者へ影響を与える可能性があります。機械では不可能なやり方でお客様にサービスを提供するには、常に思いやりのある人間が必要なのです」とファーレイはいう。「AIの『A』は『人工』であることを忘れてはなりません。困難な局面では本物を求めたくなることがあります。私たちは、人と機械学習を融合させて、最良の、最も信頼できる結果を得る必要があるのです」
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翻訳=酒匂寛

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