欧州

2024.01.14 10:00

「雪豹」仕様のレオパルト1戦車、東部激戦地のロシア兵狩りへ爪を研ぐ

ギリシャ陸軍のレオパルト1A5戦車。2017年10月、テッサロニキで(Giannis Papanikos / Shutterstock.com)

ウクライナ軍のレオパルト1A5戦車の一部は、冬用の擬装を施されている。「雪豹」に姿を変えたこれらのレオパルトは、必要性が明らかな爆発反応装甲はまだ付けられていないが、ウクライナの戦車兵らによれば、近くそうする予定とのことだ。

重量40t、乗員4人のドイツ製戦車であるレオパルト1A5は、ドイツとデンマーク、オランダが共同で200両近くをウクライナに供与すると表明している。これまでに引き渡されたレオパルト1A5を配備されているウクライナ軍部隊は、そのすべてに冬用の擬装をさせ、爆発反応装甲を追加するのが最も望ましい。

ロシアがウクライナで拡大した戦争が23カ月目に入るなか、およそ1000kmにおよぶ戦線の最も重要ないくつかの戦域で、ウクライナ軍部隊は機動的な火力支援をますます必要とするようになっている。冬景色に溶け込み、防護力を増したレオパルト1は、その必要を満たしてくれるものになるだろう。とくに期待されるのが、東部ドネツク州アウジーイウカ方面の戦いでのそうした役割だ。

アウジーイウカ周辺では昨年10月半ば以来、ウクライナ軍の1個師団規模(計6個の機械化旅団と戦車旅団)の守備隊が、2個野戦軍を含むロシア軍のはるかに大規模な攻撃部隊を相手に果敢な機動防御戦を展開してきた。投入兵力はおそらく、ウクライナ側が1万人、対するロシア側が4万人程度と考えられる。

困難な状況にもかかわらず、アウジーイウカ守備隊は持ちこたえてきたばかりか、攻撃してくるロシア軍部隊に多大な損害を与え、最初の2カ月だけで1万3000人にのぼる死傷者を出させた。自軍側の人的損害は低く抑えている。

ロシア軍はアウジーイウカ周辺で戦車やその他の戦闘車両も数百両失っており、その数はすぐに補充できる数をはるかに上回る。車両の損害もロシア側に偏っており、ロシア側の損害数はおそらくウクライナ側の10倍にのぼる。ロシアの独裁者ウラジーミル・プーチンは持久力でウクライナを打ち負かすという意思を公然と示しているが、ウクライナ側はそれを踏みにじってみせた格好だ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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