2024.01.14 12:00

日本のパスポート、再び「世界最強」に 2024年最新ランキング

ランキングで大幅に上昇した国

過去10年間で最も順位を上げたのが、アラブ首長国連邦(UAE)だ。2014年時点で55位だったが、その後106カ国のビザなし渡航先がパスポートに追加され、現在は183カ国への渡航が可能となり、11位にまでのし上がった。

ウクライナと中国も、過去10年間でそれぞれ21位ずつ順位を上げた。ウクライナはビザなし渡航先が148カ国で32位、中国は85カ国で62位となり、ともに昨年より2つ順位を上げている。ロシアは過去10年間で24カ国追加したが、ランキングは2017年以降ほとんど変動しておらず、現在はビザなし渡航先が119カ国で51位に位置している。

2024年の国際移動の動向

2024年を見据えた場合、「さらなる不確実性に備えよ」というのが真言になりそうだ。ウィーン人間科学研究所のミーシャ・グレニー所長は、今年、世界の国内総生産(GDP)の50%以上を占める40カ国で大型選挙が行われると指摘。地政学的な協調の欠如により、既に不安定な経済環境に衝撃が加えられるリスクが高まっているとしながらも、全般的な傾向は安定しているとの見方を示した。また、欧米の影響力が相対的に低下し、アジアが勢力を増しつつあることも強調した。

米ワシントンのアラブ湾岸諸国研究所のロバート・モギエルニツキ博士は、イスラエルとハマスの紛争による「壊滅的な影響」にもかかわらず、中東の湾岸協力会議(GCC)加盟国は、今年も昨年の経済の勢いを保ちたい意向だと説明。「GCCはシェンゲン協定に準じたビザ制度を確立することで合意しており、これにより観光客は地域内を自由に移動できるようになる。2024年を通して実施に向けた作業を進める必要があるが、地域内移動の増進は、バーレーン、クウェート、オマーン、カタールといった湾岸地域の小国に前向きな波及効果をもたらすだろう。GCCの統一観光ビザ計画は準地域的な統合と結び付きの重要な例となるが、これを中東と北アフリカにまで拡大するのは極めて難しいだろう」

世界最強のパスポートランキング

トップ10には現在、34カ国が名を連ねている。ランキングの全容は公式サイトを参照のこと。

1位 フランス(194カ国)

1位 ドイツ(194カ国)

1位 イタリア(194カ国)

1位 日本(194カ国)

1位 シンガポール(194カ国)

1位 スペイン(194カ国)

2位 フィンランド(193カ国)

2位 韓国(193カ国)

2位 スウェーデン(193カ国)

3位 オーストリア(192カ国)

3位 デンマーク(192カ国)

3位 アイルランド(192カ国)

3位 オランダ(192カ国)

4位 ベルギー(191カ国)

4位 ルクセンブルク(191カ国)

4位 ノルウェー(191カ国)

4位 ポルトガル(191カ国)

4位 英国(191カ国)

5位 ギリシャ(190カ国)

5位 マルタ(190カ国)

5位 スイス(190カ国)

6位 オーストラリア(189カ国)

6位 チェコ(189カ国)

6位 ニュージーランド(189カ国)

6位 ポーランド(189カ国)

7位 カナダ(188カ国)

7位 ハンガリー(188カ国)

7位 米国(188カ国)

8位 エストニア(187カ国)

8位 リトアニア(187カ国)

9位 ラトビア(186カ国)

9位 スロバキア(186カ国)

9位 スロベニア(186カ国)

10位 アイスランド(185カ国)

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事