ピート・ブティジェッジ運輸長官は1月11日、2021年の超党派インフラ法によって割り当てられた総額6億2300万ドル(約900億円)の連邦補助金によって、新たに7500基のEV充電器を設置すると述べた。
「我々は今まさにEV革命の時を迎えている」と語るブティジェッジ長官によると、バイデン大統領の就任以来、公共の充電ポートの数は約70%増加し、民間企業が発表したEVとバッテリーのサプライチェーン向けの投資額は1500億ドル(2.2兆円)以上に達したという。
化石燃料自動車からEVへの移行は、CO2(二酸化炭素)排出量の削減を目指すバイデン政権の最重要課題であり、「2030年までに新車販売台数の半分をEVにする」という目標を達成するためには、公共充電ステーションの整備が欠かせない。運輸省によると、全米の利用可能な公共充電器の数は、2020年末時点の9万6243基から2023年末には16万8426基に増加した。
バイデン政権は、2030年までに米国内に50万基のEV充電器を設置しようとしている。「この目標は、実際には2030年よりかなり前に達成できると考えている」と、連邦高速道路局のシャイレン・バット長官は述べ、政府の助成金と民間企業による継続的な投資によって、急速なペースで拡大が進んでいることを指摘した。
ブティジェッジ長官によると、バイデン政権の誕生以来、米国のEV販売台数は4倍以上に増加しており、昨年は140万台に達し、乗用車の新車販売台数の9%を占めたという(調査会社コックス・オートモーティブは、それよりやや低い120万台としている)。EVの販売ペースは、金利の上昇と価格の高騰により昨年後半に減速したが、このセグメントはさらに拡大する見通しだ。
コックスは、今週のレポートで「新製品の増加、在庫の増加、インセンティブの増加、インフラの整備などの要素が相まって、EVの販売台数は今後1年でさらに増加するだろう」と述べ、2024年にはEVの市場シェアが10%に達すると予想した。
バイデン政権の水素燃料プロジェクトには、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校にある既存のステーションをトヨタの「ミライ」などの乗用車用に拡張し、大型車にも対応させるプロジェクトや、カリフォルニア州バーストウにバスなどの公共車両用の水素充填施設を建設すること、コロラド州立大学周辺に3カ所の商用車向け水素ステーショを建設することなどが含まれる。水素関連で最大の助成金としては、テキサス州のダラス・フォートワースやヒューストン、オースティン、サンアントニオ地域に物流トラック用の水素ステーション5基を建設するための7000万ドル(約100億円)が挙げられる。
(forbes.com 原文)