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2024.01.12

英当局がデジタル市場規制の概要を発表、テック大手の「不当利益」を排除へ

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英国の競争・市場庁(CMA)は1月11日、ハイテク市場の適切な競争環境を維持するための計画の概要を発表した。

CMAは11日に発表した文書で、大手ハイテク企業がその地位を利用して不当な競争優位性を得ることを防止することを目的とした「デジタル市場、競争及び消費者法案(Digital Markets, Competition and Consumers Bill)」の施行に向けての計画を説明した。

「この新たな規則は、テック系新興企業が、消費者にすばらしいイノベーションをもたらすことを支援するものだ。当局は、的を絞った適切なアプローチでそれを実施していく」とCMAのサラ・カーデル長官は、シリコンバレーで開催されるConcurrences Tech Antitrust Conferenceで発表する予定のスピーチの中で述べている。

ここに提案された規則は、CMAが戦略的市場地位(Strategic Market Status)を持つと認めた企業にのみ適用される。その基準としては、英国のデジタル市場において「実質的かつ定着した」市場力を持ち、世界的な売上高が250億ポンド以上、または英国での売上高が10億ポンド(約1850億円)以上の企業とされている。

CMAは、新体制の発足後の1年以内に3、4社をこのステータスに分類して評価を開始する見込みだと述べた。そして、これらの企業がその地位を乱用して不当な利益を得ていると判断した場合、一定の行動要件を課すことになる

これらの企業は、自社の製品やサービスを優先することを禁じられたり、競合他社により多くのデータや機能へのアクセスを提供するよう求められたりする可能性がある。また、他社の製品やサービスが自社の製品やサービスと連携できるようにしたり、ユーザーに効果的な選択肢を提供できるようにしたりすることも求められる可能性がある。

CMAは、英国の消費者や企業、テクノロジーの専門家を代表するコンサルティング・グループを招集し、作業の優先順位を決定すると述べている。議会がこの法案を可決した後、CMAはより詳細なガイダンス草案を発表し、年内の法制化を目指していく。

CMAはここ最近、ハイテク大手に対する権限を行使し、マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザードの買収や、OpenAIとの取引に異議を唱えている。また、昨年末にはアマゾンとメタから、この2社の地位の乱用を防ぐことを目的とした誓約を取り付けた。

CMAは、アマゾン、サードパーティの販売者から得た通販サイトのデータを、自社に競争上の優位性を与えるために使用することを禁止した。さらに、出品者がプライムデリバリー・サービスを提供する外部の配送業者と、配送料金を直接交渉することを認めさせた。

一方、メタは、同社のプラットフォームに広告を掲載する競合他社が、マーケットプレイスの改善に販売データが利用されないようにすることに合意した。また、同社が広告顧客のデータを悪用して、不当な優位性を得ることも禁止されている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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