宇宙

2024.01.13 16:00

NASAの探査車、火星で「スタートレック」の宇宙艦隊マークを発見

日下部博一
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スタートレックの記章に似た岩石が火星で見つかったのはこれが初めてではない。2019年、NASAの探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)は、上空からもっとずっと大きな宇宙艦隊のマークを撮影した。その形状は過去に砂や噴火や風が砂丘に残した足跡だ。「スタートレックマニアの人たちは、これらの岩石が有名なロゴに著しく似ていることに気づくでしょう。確かにそのとおりですが、単なる偶然です」とMROのHiRiseカメラのチームは書いている。
NASAのーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)が撮影したスタートレックのシンボルに似た砂丘の地形(NASA/JPL-CALTECH/UARIZONA)

2019年にNASAのマーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)が撮影したスタートレックのマークに似た砂丘(NASA/JPL-CALTECH/UARIZONA)

HiRiseカメラは2013年にも、ミスタースポックの胸にそのまま付けられそうなV字型の地形を持つ砂丘地帯を撮影した。岩石から砂丘まで、そこに見られる楽しい形状のすべてが、火星の激しい風と関係している。
NASAのMROが2013年に撮影したV字型の砂丘地形(NASA/JPL-CALTECH/UNIV. OF ARIZONA)

NASAのMROが2013年に撮影したなV字型の地形を持つ砂丘(NASA/JPL-CALTECH/UNIV. OF ARIZONA)

NASAとスタートレックは長年密接な関係を保っている。1976年、NASAは初のスペースシャトルを、スタートレックに登場する恒星間宇宙艦に因んで「エンタープライズ」と命名した。フィクションの宇宙船と異なり、NASAのエンタープライズが宇宙に出ていくことはなかったが、長く続いたスペースシャトル計画の先陣を切った。2019年のドキュメンタリー映画『ウーマン・イン・モーション』は、ニシェル・ニコルズ(1960年代の初期スタートレックシリーズのウフーラ役)とNASAとの強いつながりを検証した。長年にわたりスタートレックの俳優たちはNASAの施設を訪れ、NASAのビデオでナレーションを担当してきた。

探査車キュリオシティは、火星の過去と、ゲールクレーターがかつて微生物の生命にとって生存可能であったかどうかを解明するべく働き続けている。そのミッションは、「未知の世界を探索する(to explore strange new worlds)」というスタートレックにとって最大の目標ときわめて合致している。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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