「彼女がなぜ、あるいはどのようにしてブレイクしたのか、不思議に思ったことはありませんか?」とワターズは、スウィフトの業績を並べ立てた後に視聴者に尋ねた。
「4年ほど前、ペンタゴンの心理作戦部隊が、NATOの会議でテイラー・スウィフトを戦力化しようと言い出したんです。どんな戦力か? それはネットの誤報に対抗するための心理作戦なのです」とワターズは視聴者に語った。
そしてワターズは、スウィフトと彼女の音楽がこれほどの支持を集める背景に、邪悪な勢力がいることを示すために、ある学者によるプレゼンテーションの動画に大幅な編集を加えた上で、再生した。
この映像に登場するアリシア・マリー・バーガーは、2019年にNATOが主催した国際会議で、ジョンズ・ホプキンス大学と共同で行ったオンラインでの情報の拡散に関する研究を発表した。彼女は、民間の学者であり、その研究テーマは、SNSを通じて情報がどのように伝わるかについてのものだった。
「最も一般的なインフルエンサーの例として、私はここにテイラー・スウィフトのような、ネット上で影響力を持つ人物を挙げておきます」とバーガーは動画の中で述べている。
彼女はさらに、スウィフトが2016年に投票所に列に並んでいる姿を撮影したインスタグラムの投稿を紹介した。「著名人は、少なくとも米国では日常的に投票を促す投稿を行っており、この種の投稿は、投票率に測定可能な影響を与えています」とバーガーは2019年のプレゼンテーションで述べている。
彼女は、この動画でそれ以上のことは何も言っていない。バーガーは「誰かがスウィフトを世論に影響を与えるために使うべきだ」などとは言っておらず、彼女がファンたちに投票を促すメッセージを送ったという事実を述べただけだった。
つまり、ワターズは、この動画のニュアンスやコンテキストをすべて削ぎ落とし、その代わりに自身の非常に歪んだ、不誠実な見方を提示しているのだ。彼に言わせれば、バーガーが参加したNATOの会議は「テイラー・スウィフトをプロパガンダの道具にする方法を話し合うためのもの」だったという。