北米

2024.01.12

スターバックスの「倫理的調達」は虚偽、消費者団体が提訴

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全米消費者連盟は1月10日、コーヒー大手のスターバックスが、人権侵害や労働者の虐待の記録がある農園からコーヒーや紅茶を仕入れながらも、「倫理的な調達を行っている」という虚偽の宣伝を行っているとして、同社を提訴したことを発表した。

消費者連盟の訴状は、グアテマラやケニア、ブラジルのコーヒー・紅茶農園における労働者の虐待に関する報道を引用している。その中には、ブラジルのスターバックスの納入業者に対する疑惑も含まれており、現地メディアのReporter Brasilは昨年11月の記事で、労働当局が「現代の奴隷制度」の犠牲者である農園労働者を救出したと報じていた。

スターバックスは当時、Reporter Brasilに対し、その主張について「徹底的に調査している」と述べていた。今回の訴訟は、スターバックスがこのような事例があるにもかかわらず、コーヒーと紅茶の調達を「100%倫理的」に実施していると虚偽のマーケティングを行っていると主張している。

スターバックスの広報担当者は、フォーブスに宛てた声明の中で、同社がこの訴訟を認識しており、「当社が消費者に対する倫理的な調達の約束を破っているとの主張に対して抗弁する予定だ」と述べている。担当者はさらに、「我々はこのような申し立てを非常に深刻に受け止めており、農園が我々の基準を遵守していることを確認するため、積極的に農園に関与している」と付け加えた。

「各サプライチェーンは定期的に再検証を受けることを義務付けられており、当社はビジネスパートナーと協力し、当社のグローバル人権宣言に詳述された期待に応えるよう、引き続き尽力していく」とスターバックスは述べている。

別の消費者保護団体も最近、スターバックスを非難した。ワシントン消費者保護連合は今週、スターバックスが顧客に、未使用の資金をギフトカードやアプリに残すよう促すことで、「支払いプラットフォームを不正に操作している」と主張した。同団体は、同社がこの行為によって5年間で約9億ドル(約130億円)の追加収入を得ていると述べている。

スターバックスはこれらの主張に反論し、フォーチュン誌の取材に、「当社はワシントン州と協力し、すべての州法と規制を遵守することを約束する」と述べた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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