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2024.01.13 08:00

日々増える人工知能の「電力使用量」、次の批判や規制対象になる可能性

残念ながら、暗号マイニングと同じように、異なる派閥が公の場で対立すると、議論の緻密さが失われてしまう。こうした議論はすぐに感情的なものになる。気候変動に対する懸念が目立つ中、電力使用に対する制限は、評判の悪い産業に反対する活動家による戦術として勢いを増す可能性がある。電力使用に対する「政府規制」のことを想像してみてほしい。

これまでも当局は、金融サービスを提供する銀行や決済ネットワークに圧力をかけることで、問題視されるセクターを標的にしてきた。たとえば銃器販売業者、給料日金融業者、化石燃料会社などが標的にされている。違法行為の証拠がないにもかかわらず、こうした産業は、主要な金融機関から切り離すことで行動を変えさせようとする政治家や活動家からの圧力に直面している。

今、AI開発が抑制されるべきかどうかが疑問視されている中で、AI計算量に関連する同様の圧力キャンペーンは避けられないようだ。銀行が政治的な理由で取引相手を制限するように強いられているのと同様に、電力会社もまもなく、最もエネルギーを多く消費する顧客に対して同様の圧力に直面するかもしれない。

活動家たちの懸念はまったく根拠のないものとは言えず、何らかの対処が必要な現実的なリスクは存在するが、電力使用に対する一律の制限は間違ったアプローチだ。権力行使を政治的な思惑に任せると、取り返しのつかないことになりかねない。最近、米国人を分断している事柄は多いが、幸いにも電気へのアクセスはまだ論争の的にはなっていない。

政策立案者は勝者と敗者を選ぶのではなく、法を守り、請求書を支払うすべての顧客に信頼性が高く、手頃な価格の電力を提供することを目指すべきだ。暗号資産やAIのような産業では、すでにエネルギー効率の向上が産業内での優先事項となっているため、時間とともに自然に解決されていくだろう。成熟に必要な余地が与えられるべきだ。

一部の産業がたまたま現行の政治論争に巻き込まれたからといって、新興技術への電力供給を止めようとする企てに乗ってはならない。技術革新に配慮した賢明な政策によって、エネルギー需要と環境目標を両立させることができるのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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