日本人記者によるグループ会見の席でソニー・ホンダモビリティの社長兼COOである川西泉氏がAFEELAの展望について大事なコメントを残した。
プレステのリモコンでAFEELAを操縦した意図
ソニーが開催したプレスカンファレンスの中で、ソニー・ホンダモビリティの川西氏はPlayStationのDualSenseワイヤレスコントローラーを片手に持ちながら、AFEELAのプロトタイプをまるでラジコンカーのように操縦しながらステージ中央に招き入れた。ゲームコントローラーで遠隔運転する自動車を公道に走らせることは、おそらく日本を含む多くの地域で実現困難だろう。だが、スマホやPCのように自動車の価値ある機能をソフトウェアの力で提供できるSoftware Defined Vehicle(SDV)が持つ魅力を、一般にもわかりやすく伝えたかったという、川西氏自身のアイデアによるプレゼンテーションは見事に来場者の関心をつかみカンファレンスを盛り上げた。
AFEELAは2025年に北米で先駆けて発売を予定するスマートEVだ。最新世代プロトタイプのデザインは「必要に応じてまだ変えるつもりだが、かなり最終形に近いもの」だと川西氏は話す。「去年のプロトタイプではコンセプト重視だったが、今年のプロトタイプはクルマを好きな人の思いを反映したエモーショナルなデザインにした」とも説く。
屋根にはLiDARなど安全走行を支援するセンサーユニットがある。昨年のプロトタイプよりもユニットのサイズを少し大きくした理由は、走行時の空気抵抗を減らす狙いがある。車体のフロントとリアに搭載するカラー液晶ディスプレイの「Media Bar」は、新しいプロトタイプではフロントだけに設けている。リア側には代わりにカメラセンサーを増やし、安全走行の性能を向上してデザインの最適化を図った。