ゲーム『Spider-Man』に「顔」提供の女性、ファンの嫌がらせ受け声明

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Insomniac Games(インソムニアック・ゲームズ)の人気ゲーム『Marvel's Spider-Man 2』をめぐっては、発売前から一部の心無いネット住民の間で、登場するキャラクターのメリー・ジェーン・ワトソン(通称MJ)が議論の的となっていた。だがここにきて、MJをめぐる論争はさらにエスカレートした。

一連のゲーム作品でMJの顔モデルを務めたステファニー・タイラー・ジョーンズはソーシャルメディアに投稿した声明で、ファンが自分の職場に電話をかけ、話したいので折り返し連絡してほしいとの留守電メッセージを残していたと説明。このメッセージを聞き、「身の危険」を感じたと告白した。

これ以外にも、ソーシャルメディア上ではMJの容姿に関する議論が延々と続き、ジョーンズのページには敵対的なコメントも投稿されている。ネット上のファンの中でも、最も悪質な一部がこのような行為に及んでいるのだ。

ジョーンズは、自分はもう女優・モデル業からは身を引き、別の道を歩んでいると明言している。またジョーンズは、インソムニアックがMJのキャラクターを描くために使った顔モデルにすぎない。キャラクターを実際に演じているのは、ベテラン声優のローラ・ベイリーだ。

ベイリーは『ファイナルファンタジー』や『World of Warcraft』『Halo』『アンチャーテッド』『Gears of War』といった人気ゲームで声優を務めており、『The Last of Us Part 2』では賛否両論を呼んだアビー役を演じている。ベイリーがMJ役を理由に嫌がらせを受けたかどうかは不明だが、過去の他の役柄ではそうした被害があった。

ジョーンズへの嫌がらせは、その実生活を追跡し、本人との接触を試みるという悪質なものだった。言うまでもなく、さまざまな意味で一線を越える行為であり、ネット上のファンが持つ暗部を示すまた一つの例となった。ジョーンズは留守電メッセージによって我慢の限界に達したようだが、私はここ何カ月にもわたり、ゲーム版のMJをめぐる愚かで女性嫌悪的な議論がネット上で繰り広げられるのを見てきた。実際のところ、MJの容姿に問題はなく、彼女がストーリーで果たす役割は前作から改善されてさえいる。

問題なのは、ここまで執拗な嫌がらせをする人たちには、止めるよう言っても無駄であること。そして、こうした問題は今後もさまざまな形でゲーム業界に起こり続け、その被害者は男性よりも女性の方がずっと多いことだ。このような行為は、たとえごく一部の問題だとしても、コミュニティ全体の印象を汚してしまう。コミュニティは、このような悪質な行為をする者を追放するためにあらゆる手段を講じる必要がある。しかし悲しいことに、そのようなことはめったに起こらない。あるいは、現在のソーシャルメディアが持つ性質上、めったに起こりえないのだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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