宇宙

2024.01.11 08:45

宇宙実験から回収までワンストップ 日本の宇宙実験プラットフォームを目指す

プレスリリースより

2030年、国際宇宙ステーション(ISS)は老朽化にともない引退する。それを引き継ぐ民間宇宙ステーション建設の計画が進んでいるが、日本国内でも宇宙スタートアップElevationSpace(エベレーションスペース)が、民間に開かれた宇宙実験環境を保とうと、宇宙実験と資料回収までを行うサービスの開発を進めている。

回収カプセルの大気圏突入と回収の技術をもつ民間企業は世界にほとんどない。もちろん、日本ではElevationSpaceだけだ。同社はこのほど、地球低軌道上の小型宇宙利用・回収プラットフォーム「ELS-R」で行った実験の結果を地上に戻す回収カプセルのパラシュート格納パネルの展開試験を成功させ、サービス実現に一歩近づいた。

ELS-Rの要となるのは、宇宙実験の結果を依頼主に送り届けるための、回収カプセルの軌道離脱、大気圏突入、回収の段階だ。とくに、パラシュートの展開時は、カプセルの3枚のサイドパネルを同時に開く必要がある。そのタイミングがずれるとバランスが失われてカプセルが回転してパラシュートが開けなくなるため、その技術は非常に重要だ。
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ElevationSpaceは、ELS-Rの初号機「あおば」の打ち上げを2025年に控えている。有人プラットフォームにくらべて安全基準が低く短期間の実験も可能など、利用の幅が広いESL-Rは、月1回の打ち上げを目指している。また、ゆくゆくは半導体製造やバイオ3Dプリンティングなどの宇宙工場としての利用も目指すということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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