欧州

2024.01.09

インフルと新型コロナ急拡大のスペイン、病院でのマスク着用義務の復活を検討

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世界的に新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ、RSウイルス感染症(RSV)の感染者と入院患者が増加する中、スペイン政府は全国の医療機関でのマスク着用の義務化を検討している

ロイター通信によると、スペインのモニカ・ガルシア保健相は国営テレビで、マスク着用は「感染拡大を抑制し、脆弱(ぜいじゃく)な人々を守る手法の1つだ」と述べた。

クリスマスや年末年始の休暇を経て新型コロナとインフルの感染者が急増している事態を受けて、スペインのカタルーニャ、バレンシア、ムルシアなどの州ではすでに医療機関で患者や職員、訪問者にマスク着用を義務づけていると英紙フィナンシャル・タイムズは報じた。

スペイン救急医学会は1月5日付の報道資料で、インフルエンザA型や新型コロナなどの急性呼吸器感染症で救急外来に駆け込む人が前年同時期と比べて35%多く、救急医療体制に負荷がかかっていると指摘した。

保健省の発表によると、医療機関でのマスク着用義務を復活させるかどうかは10日までに決定される見込みだ。

ガルシア保健相はマスク義務化について「科学的な裏づけがあり、社会に広く受け入れられている常識的な措置だ」と指摘した。

米国でもマスク着用を復活させている病院や保健福祉施設がある。1月4日時点で、4州の病院がマスク着用義務を再導入した。コロナ、インフル、RSVなどの呼吸器系疾患の感染者や入院患者が全米で増加しているためだ。これら3つの疾患は世界的に「トリプルデミック」を起こしている。

欧州疾病予防管理センター(ECDC)の最新の週報によると、2023年12月31日〜1月6日のインフル検査の陽性率の中央値は24%で、コロナの14%とRSVの3%を上回った。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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