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宇宙

2024.01.09 12:00

半世紀ぶりの米国の月面着陸機、打ち上げ数時間でいきなり「重大」な不具合

2023/09/10:The United Launch Alliance Atlas 5 rocket carrying a classified payload known as SILENTBARKER launches from pad 41 at Cape Canaveral Space Force Station. (Photo by Paul Hennessy/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)

米国は約50年ぶりの月面着陸を試みようとしており、現地時間1月8日午前2時過ぎに宇宙船を打ち上げた。しかし、この月面着陸機を設計した民間宇宙企業は、打ち上げの数時間後に重大な技術的不具合を発表し、2月末に予定されている月面着陸の成否が危ぶまれている。

ピッツバーグを拠点とする宇宙企業アストロボティックが設計した月着陸機Peregrine 1(ペレグリン1)は、月面を探査するための6つのNASAのペイロード(貨物)を搭載している。

アストロボティックは、このミッションに関する最新のアップデートで、着陸機の推進システム(着陸船を前進させる役割を担う機器)の故障が、推進剤の重大なロスを引き起こしていると述べた。

同社のチームは推進剤の問題を解決しようとしているが、現状では収集可能な科学データを最大化することを優先し、「どのような代替ミッションが実行可能かを評価している」と述べた。

アストロボティックによると、ペレグリン1は、太陽光パネルの向きを安定させることができず、バッテリーを消耗させており、その原因が「推進力の異常にある可能性が高い」という。これが事実であれば、「探査機が月に軟着陸する能力が脅かされることになる」と同社は述べている。

同社とペレグリン1との通信は一時的に途絶えたが、後に復旧し、チームは太陽光パネルの向きを変えてバッテリーを充電できるようにしつつ、推進システムの問題の評価にあたっている。

ペレグリン1は、ボーイングとロッキード・マーチンのユナイテッド・ローンチ・アライアンスによって設計された新型ロケット「バルカン」によって、ケープカナベラルから打ち上げられた。この着陸機は、NASAがアストロボティックに1億800万ドル(約155億円)を支払って搭載したペイロードと、米国内外の団体からのその他のペイロードを搭載している。このミッションは、今後も継続された場合、2月23日頃の月面着陸を予定している。米国が最後に月探査を行ったのは、1972年のアポロ17号のミッションだった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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