その最新の動きが、ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンから発表された。同社は米ラスベガスで1月9日より開催される世界最大のデジタル関連技術展示会「CES 2024」で、同社のデジタル音声アシスタント「IDA」にChatGPTを統合した機能拡張バージョンを公開する。
長年フォルクスワーゲン車は運転するとすばらしいという高い評価を得てきたが、この数年間に市場に出た同社のクルマで音声認識を使用しようとすると、イライラさせられることが多かった。どれでもいいからフォルクスワーゲンの最新モデルに乗り込み、ナビゲーションシステムの音声認識機能に行き先の住所を告げて検索してみるといい。成功する確率は、他の多くのクルマと比べてずっと低いはずだ。
フォルクスワーゲンの音声認識システムは、米マサチューセッツ州に本拠を置くCerence(セレンス)から供給されている。セレンスはNuance Communications(ニュアンス・コミュニケーションズ)の自動車部門だったが、2019年に別会社として独立した。ニュアンス社は音声認識技術の先駆的企業であり、20年以上にわたりほとんどの自動車会社に音声認識システムを提供してきた。フォルクスワーゲンの「ゴルフ8」をはじめ、同社の最新モデルの多くに搭載されているインフォテインメントシステムの音声アシスタント「IDA」もニュアンスが開発したものだ。