フォルクスワーゲンとセレンスは、車内機能の制御に加えて「一般的な知識の質問に答える」機能も組み込んでいるとのことで、これは興味深いものになるはずだ。
LLMが抱える問題の1つは、単語や成句が実際に何を意味するのかを、根本的に理解していないことである。LLMは統計的な確率アルゴリズムであり、人間の言葉らしく聞こえる単語の並びを単にグループ化したものに過ぎない。それらは概して、文法的には正しいが、事実に基づく正しさを明確に要求するルールがないため、筋が通っているように聞こえるが実は意味をなさない話をでっち上げる傾向がある。
ChatGPTを車内で作動させる際に、その応答の正確性を確保するため、セレンスとVWが何をしているのか、現時点では不明だ。それがなければ、実際に存在する住所を検索したり、エアコンを乗員が希望する温度に調整したりする機能が、うまく働かないこともあり得る。
少なくともフォルクスワーゲンは、質問と回答を即座に削除することで、ユーザーのプライバシーを守るための対策は取っているようだ。乗員の発した質問がクラウドを通じてChatGPTに送信されると、それらも匿名化される。ChatGPTが車両データにアクセスすることも一切ない。
ChatGPT対応の音声アシスタントは、2024年第2四半期から、まずは欧州で販売される新車のみに搭載される予定だ。それ以外の地域でも提供するかどうかは、まだ評価中だという。
(forbes.com 原文)