微生物群集が、なぜこのような過酷な場所で形成されたかについては不明だ。このラグーンの環境が、古代の地球の状況に似ているのかもしれないと、ハイネックは指摘している。ラグーンの水は塩分濃度と酸性度が高いうえに、標高が高いために強烈な太陽放射にさらされることにより、特殊な微生物しか生存できないようになっている。
2023年12月に開かれた米地球物理学連合(AGU)年次総会で最初の研究結果を発表した研究チームは、できるだけ早くこのラグーンを再訪したいと考えている。
しかしながら、残り時間が少なくなっているかもしれない。アルゼンチン国外の企業が、蒸発する水から沈殿するリチウムや他の希少元素を採掘する目的で、すでにこの地域の土地を賃借しているからだ。
「他に類を見ないこの生態系全体が、数年のうちに消失してしまうかもしれない」と、ハイネックは話している。「この場所の一部を保護するか、もしくはせめて、永久に失われたり絶えず乱されたりする前に、そこにあるものを詳細に伝えることができるように望んでいるところだ」
追加資料とインタビューはコロラド大ボールダー校から提供された。
(forbes.com 原文)