欧州

2024.01.08 08:00

ウクライナが徹底的な電波妨害、ドローンを飛ばせないロシア軍に多数の死者

ウクライナの対ドローン電子戦システム「ブコベルAD R4」(Shutterstock)

ウクライナ軍がクリンキ周辺に配備している電子戦システムの詳細ははっきりしないが、推測は可能だ。ロシア軍が2014年にウクライナ東部ドンバス地方の上空で始めたドローン作戦を受けて、ウクライナ企業プロキシマスは「ブコベルAD」というトラック搭載型のジャマー(電波妨害装置)を新たに開発した。
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この5万ドル(約720万円)のシステムは、周囲約100kmのドローンを探知することができ、50km程度まで近づくとドローンと地上の操縦士をつなぐ無線にスクランブルをかける。

ウクライナ軍は2021年には数十基のブコベルADを保有していたと報じられている。ロシア軍の攻撃でそのうちのいくつかは破壊されたが、プロキシマスが代替システムの構築と全体的な戦力拡大に必死に取り組んでいるのは間違いない。ウクライナは、外国の同盟国から入手した詳細不明のジャマーでブコベルADを補強している。

もちろん、ロシア軍も独自のジャマーを保有している。だが、ウクライナ軍は計画的に大型装置を標的にしている。また、ロシア軍の乗員が戦車や戦闘車両に取り付けているバックパック型のRP-377のような小型の電子戦システムは、数十mの範囲でしか機能しないようだ。
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ソーシャルメディアには、ウクライナ軍のFPVドローンがRP-377を搭載した車両を攻撃するところをとらえた動画が多数出回っている。少なくとも1つのケースでは、ドローンが車両に取り付けられたRP-377そのものを直撃している。

防衛戦略センターによると、クリンキでの戦いが始まって3カ月近くが経過したいま、ウクライナ軍はドニプロ川左岸に張り付いているだけでなく、「橋頭堡(きょうとうほ)を着実に拡大」しているという。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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