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2024.01.06

仏LVMHアルノー会長の29歳の息子が同社時計部門トップに

仏高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)のベルナール・アルノー会長(右)と三男のフレデリック。2019年1月20日撮影(Getty Images)

仏高級ブランドグループ、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは、同社を所有するベルナール・アルノー会長の三男フレデリック・アルノー(29)を時計部門の責任者に任命した。フレデリックは今後、兄弟とともに家族経営事業で幹部の役割を担う。

フレデリックはLVMHの時計部門の責任者として、ゼニス、ウブロ、タグ・ホイヤーをはじめとする高級時計ブランドを統括する。過去には164年の歴史を持つスイスの時計メーカー、タグ・ホイヤーでスマートウォッチ技術の導入を指揮した経験もある。

フレデリックは2017年、スマートウォッチブランド「コネクテッド」の責任者としてタグ・ホイヤーに入社し、2020年に同社の最高経営責任者(CEO)に就任。家業に加わる前は、米マッキンゼー・アンド・カンパニーや米フェイスブックの人工知能(AI)研究部門で研修をしていた。

アルノー会長とその一族の資産は1872億ドル(約27兆円)に上り、同会長は世界第2位の大富豪として名を馳せている。財産の大半は、アルノーが所有するLVMHの株式47%からもたらされている。

アルノーが高級ブランド帝国を築き始めたのは1980年代のことだ。まず、1984年に破産したフランスの高級ブランド、クリスチャン・ディオールの株式を1500万ドル(約21億7000万円)で買収。1987年には仏高級ブランドのルイ・ヴィトンと仏シャンパンメーカーのモエ・エ・シャンドン、仏コニャックメーカーのヘネシーを合併させ、高級品複合企業LVMHの設立に向けた取引を仲介した。同社はアルノーの指揮の下、急速に拡大した。ジバンシィ、セフォラ、マーク・ジェイコブス、ブルガリをはじめ、世界75社以上のブランドを買収。2017年には推定131億ドル(約1兆8900億円)でクリスチャン・ディオールを完全買収した。

アルノーの5人の子どもたちはいずれもLVMHの要職に就いている。長女のデルフィーヌ(48)はクリスチャン・ディオールのCEO。LVMHの通信部門の責任者を務める長男アントワーヌ(46)は、以前は傘下の靴メーカー、ベルルッティのCEOだった。次男アレクサンドル(31)は、2019年にLVMHが162億ドル(約2兆3400億円)という巨額の取引で買収した米有名宝石店ティファニーで執行副社長を務める。アルノーの末の息子ジャン(25)は、ルイ・ヴィトンの時計部門の責任者に就任している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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