これらを踏まえると、習の取り巻きが12月20日に世界のゲーム市場を揺るがしたとき、いったい何を考えていたのかが気になる。
より重要かもしれないストレステストは、中国の不動産危機の深刻化による地域的な影響だ。この部門のデフォルト劇は、デフレ圧力が強まるにつれて、投資家の信頼を低下させ続けている。
中国の不動産部門は、国内総生産の25〜30%を生み出している。当然、一部のエコノミストは、中国政府が債務問題を放置することで日本がかつて経験したような「失われた10年」に向かっているのではないかと懸念している。
この絶対的に大きな逆風に対する中国政府の漸進的な対応は、アジア地域全体の足を引っ張りかねない。日本が2024年に景気を好転させる助けにもならない。しかし、中国が不動産問題の解決に手間取っている様子は、1990年代後半から2000年代前半にかけての日本から学んだ者にとっては特に衝撃的だ。
問題が長引けば長引くほど、中国の経済成長の可能性はますます限られていくだろう。デフレがさらに深刻なものになるかもしれない。そして、世界の投資家は成長の機会を他に求めるようになるかもしれない。
ここ何年かで自業自得によって負った傷が、こうしたリスクを増幅させている。テック企業の取り締まりから新型コロナウイルス感染症による厳しいロックダウン(都市封鎖)に至るまで、中国政府は経済面で自ら墓穴を掘るようなことをしてきた。
習の仮想経済を支配しようという決意は、中国政府にとって新たなオウンゴールとなるのだろうか。そうでないことを祈るしかない。そして、中国発の試練がいかなるものであれ、世界の金融システムの用意が整っていることを祈る。
(forbes.com 原文)